最恐ホラー映画50選｜観たら眠れなくなる究極の恐怖リスト

日常の延長にある“違和感”が、一気に恐怖へと転じる瞬間ほど背筋が凍るものはありません。

それが「ホラー映画」の真骨頂です。

幽霊に追われる恐怖、正体不明の怪物に食い荒らされる絶望、狂気に支配された人間の暴走…。
どんなジャンルであれ、観る者の心をえぐり取り、眠れない夜をもたらすのが“最恐”のホラーたちです。

今回は時代を超えて語り継がれる名作から、近年話題をさらった最新作まで、「最恐ホラー映画50本」を厳選。
心霊・スラッシャー・サイコ・カルト・モンスター…あらゆる恐怖を網羅した、究極の恐怖リストをお届けします。

スクリーンの中の悪夢は、あなたの想像を遥かに超えてくる──。

最恐ホラー映画50選｜観たら眠れなくなる究極の恐怖リスト

タイトル	ジャンル	怖さ
エクソシスト	悪魔・オカルト
IT／イット	モンスター・スティーブン・キング
ゲット・アウト	サイコ・社会派
クワイエット・プレイス	モンスター・サバイバル
クワイエット・プレイス 破られた沈黙	モンスター・サバイバル
スクリーム	スラッシャー
スクリーム6	スラッシャー
ミッドサマー	カルト・民俗ホラー
ヘレディタリー／継承	家族・呪い
ノック 終末の訪問者	心理・スリラー
ノープ	SF・モンスター
スマイル	呪い・心理
アス	サイコ・社会派
ブラック・スワン	精神崩壊・スリラー
イット・フォローズ	都市伝説・呪い
サイレントヒル	ゲーム原作・異世界
シャイニング	精神崩壊・スティーブン・キング
ドクター・スリープ	続編・サイコ
オーメン	悪魔・予言
死霊館	心霊・実話ベース
アナベル 死霊人形の誕生	ドール・心霊
死霊館のシスター	心霊・宗教
ソウ	スプラッター・サイコ
ソウX	スプラッター・最新作
ホステル	拷問・スプラッター
テリファー 終わらない惨劇	スプラッター・殺人ピエロ
セルビアン・フィルム	グロ・トラウマ
マーターズ	拷問・トラウマ
ムカデ人間	グロテスク
ファニーゲーム	サイコ・拷問
羊たちの沈黙	サイコ・スリラー
ミザリー	サイコ・監禁
ザ・フライ	変身・SFホラー
パラノーマル・アクティビティ	モキュメンタリー
ブレア・ウィッチ・プロジェクト	モキュメンタリー
REC／レック	ゾンビ・モキュメンタリー
グレイヴ・エンカウンターズ	廃墟・心霊
デッドストリーム	ライブ配信・心霊
仄暗い水の底から	Jホラー・親子
着信アリ	Jホラー・呪い
呪怨	Jホラー
来る	和製ホラー・呪い
残穢【ざんえ】	心霊・日本ホラー
ノロイ	モキュメンタリー・呪い
シックス・センス	サスペンス・心霊
ザ・リング	呪い・Jホラー
呪詛	台湾・呪い
女神の継承	タイ・カルト
ババドック 暗闇の魔物	精神世界・母子
バーバリアン	洋館・サイコ

エクソシスト

公開年	制作国	上映時間
1973年	アメリカ	122分

映画紹介：
ホラーの原点にして到達点──『エクソシスト』は、少女レガンに憑依した“何か”と、信仰を失いかけた神父が対峙する恐怖譚。宗教的戦慄と人間ドラマが交差し、半世紀を経た今も「本当に怖いとは何か」を更新し続ける。

日常のひび割れからじわりと侵入する違和感、医療検査の冷ややかさ、母の焦燥──リアルなプロセスを経て、やがて悪魔は貌をあらわす。声と身体、言葉の冒涜で攻め立てる描写は、単なるショックではなく“信仰の崩壊”そのものを見せつける。

見どころはクライマックスの破魔。神を疑うカラス神父の祈りが、単なる儀式を超えた“人の尊厳”の回復として結実する瞬間、観客は畏怖と救済の狭間に立たされる。そこにあるのは正義の勝利ではなく、代償を伴う慈悲だ。

特殊効果の生々しさは今見ても強烈だが、本質は“見えないもの”への恐れと向き合う物語。ホラーの語彙を発明した古典として、最恐リストに欠かせない一本。

IT／イット “それ”が見えたら、終わり。

公開年	制作国	上映時間
2017年	アメリカ	135分

映画紹介：
恐怖の象徴“ピエロ”を決定づけた現代ホラーの代表作。それが『IT／イット “それ”が見えたら、終わり。』です。原作はスティーヴン・キングの大作小説。子供たちの前に現れる怪物ペニーワイズの姿は、まさに「恐怖の具現化」と呼ぶにふさわしい存在です。

本作の舞台は小さな田舎町デリー。27年周期で現れる“それ”に対抗するのは、ごく普通の少年少女たち。思春期の友情、トラウマ、勇気が交錯するドラマは、ただのホラーにとどまらず青春映画としての魅力も放ちます。

恐怖描写は徹底的にヴィジュアル化され、下水道からにじみ出る赤い風船、歪んだ笑みを浮かべるピエロの顔、そして一瞬で牙をむく怪物。その視覚的インパクトは、観客の記憶に永遠に刻まれるレベルです。

「恐怖と向き合うことは、成長すること」。本作はホラー映画でありながら、“少年たちの勇気の物語”としても胸を打つ名作です。

ゲット・アウト

公開年	制作国	上映時間
2017年	アメリカ	104分

映画紹介：
アカデミー賞脚本賞を受賞し、社会派ホラーの新時代を切り開いたのが『ゲット・アウト』です。ホラーというジャンルを使い、アメリカ社会に潜む人種差別の不気味さを描いた本作は、観客にじわじわと忍び寄る恐怖と衝撃を与えました。

白人の恋人の実家を訪れる黒人青年クリス。表面的には歓迎されながらも、言葉や態度の端々に漂う違和感。その違和感が次第に膨れ上がり、やがて彼は人間そのものを“商品化”する狂気の計画に巻き込まれていきます。

本作の恐怖は血しぶきではなく、日常に潜む目に見えない偏見が、やがて命を脅かす現実へと変貌する点にあります。静かな会話や笑顔の裏に潜む悪意が、観る者を精神的に締め付けていくのです。

「ホラー＝怖い」の枠を超え、社会を風刺する力を持つジャンルであることを証明した傑作。観終えた後、あなたは他人の視線や会話の裏側を疑わずにはいられなくなるでしょう。

クワイエット・プレイス

公開年	制作国	上映時間
2018年	アメリカ	90分

映画紹介：
音を立てたら“即死”──このシンプルかつ斬新な設定で世界を震え上がらせたのが『クワイエット・プレイス』です。観客はスクリーンを前にしても息を殺し、登場人物と同じ緊張を共有することになります。

舞台は、人類が謎の“音に反応する怪物”に支配された近未来。生き残った一家は会話すら手話で交わし、生活のすべてから音を排除しながら日々を繋いでいます。「沈黙」そのものを武器に変えた緊迫感は、他のホラー映画にはない唯一無二の体験です。

母が出産の最中に声をあげられない、踏んではいけない釘、思わず出る叫び──日常の何気ない動作がすべて死と直結するという緊張感。観客も一緒に“声を飲み込む”感覚に襲われます。

クリーチャーデザインの恐ろしさはもちろん、家族愛や生きるための献身が描かれている点も高く評価されました。ホラーでありながら温かさを感じさせる稀有な作品です。

クワイエット・プレイス 破られた沈黙

公開年	制作国	上映時間
2020年	アメリカ	97分

映画紹介：
『クワイエット・プレイス』の続編として公開された本作は、前作の「静寂の恐怖」をさらにスケールアップ。家族の生存劇がより過酷で絶望的なサバイバルへと進化しました。序盤から一気に緊張感が走り、観客は再び“音を立ててはいけない”世界に引き込まれます。

前作の衝撃的な結末を受け、父を失った家族が新たな安住の地を探す旅へ。途中で出会う生存者との交流、しかしその裏に潜む人間の恐怖──怪物だけでなく人間社会の崩壊が描かれることで、より深いサバイバルドラマとなっています。

本作は怪物の生態や出現の背景にも迫り、単なるホラーを超えた世界観の広がりを感じさせます。緊張感のあるアクションシーンに加え、母子の絆や兄妹の成長も描かれ、“家族の物語”としての重厚さも健在です。

前作を超える恐怖とスケールを備えながらも、物語の芯はやはり家族愛。沈黙の中で生き抜く人間の強さを体感させてくれる続編です。

スクリーム

公開年	制作国	上映時間
1996年	アメリカ	111分

映画紹介：
ホラー映画の常識をひっくり返したメタ・スラッシャーの金字塔。それが『スクリーム』です。ゴーストフェイスと呼ばれる覆面の殺人鬼に追われる高校生たちのサバイバルを描きながら、同時にホラー映画の定型を皮肉たっぷりに語る革新的な作品となりました。

冒頭の電話シーンから観客を恐怖と緊張に引き込み、「ホラー映画のルール」を知っているはずの登場人物たちが、次々とそのルールに絡め取られていく展開は秀逸。恐怖と笑い、そして残酷さが絶妙にブレンドされています。

殺人鬼の正体を巡る謎解き要素も盛り込まれ、ただのスプラッターではなくサスペンス・ミステリーとしての完成度も高い一作。観客自身も「次にやられるのは誰だ」と予想しながら翻弄され続けます。

90年代以降のホラー映画に大きな影響を与えた、まさにモダン・スラッシャーの原点。ホラー好きなら必見の名作です。

スクリーム6

公開年	制作国	上映時間
2023年	アメリカ	123分

映画紹介：
シリーズ第6弾となる『スクリーム6』は、舞台を田舎町から大都市ニューヨークへ移し、都市型スラッシャーとしての新境地を切り開きました。ゴーストフェイスがビルの谷間や地下鉄に現れることで、これまで以上に観客を不安にさせます。

主人公サムと妹タラを中心に展開する物語は、前作の流れを受けつつも、より血みどろで容赦ない展開へ。シリーズ伝統の「誰が犯人か分からない」ミステリー要素に加え、逃げ場のない都市空間の閉塞感が恐怖を増幅させています。

地下鉄でのハロウィン仮装者に紛れるゴーストフェイス、マンションでの追跡劇など、都市生活の隙間を突いた演出はシリーズでも屈指の名シーン。観客は「そこにいるかもしれない」というリアルな恐怖に包まれます。

シリーズが持つメタ要素は健在で、過去作を知っているとより深く楽しめる仕掛けも多数。長寿シリーズでありながら進化を遂げた快作です。

ミッドサマー

公開年	制作国	上映時間
2019年	アメリカ／スウェーデン	147分

映画紹介：
真昼の太陽の下で展開する、異色のフォークホラーが『ミッドサマー』です。監督は『ヘレディタリー／継承』のアリ・アスター。彼が描くのは、光に包まれた祝祭が地獄に変わる瞬間。通常のホラーとは真逆の「白昼の恐怖」を突きつけます。

恋人との関係に苦しむダニーが訪れたのは、スウェーデンの奥地で開かれる夏至祭。民族衣装の人々、花冠、伝統儀式──すべてが美しいはずなのに、徐々に“異様な規律”が彼女を取り囲んでいきます。幸福と狂気の境界線が揺らぐ様は、観る者を精神的に追い詰めます。

血や怪物よりも、共同体の狂信こそが最大の恐怖。笑顔の裏に潜む狂気、逃げ場のない空間は、観客の心をじわじわと蝕みます。そしてラストに待ち受ける選択は、観客にとっても「何が正しいのか」を突きつける衝撃的な問いとなるでしょう。

美しい映像美と極限の不安感が融合した本作は、ホラーを芸術の領域へと押し上げた問題作。祝祭の明るさが、逆に心を冷やす稀有な一作です。

ヘレディタリー／継承

公開年	制作国	上映時間
2018年	アメリカ	127分

映画紹介：
「現代ホラーの金字塔」と呼ばれるにふさわしい衝撃作。それがアリ・アスター監督の長編デビュー作『ヘレディタリー／継承』です。“家族”という最も身近な存在が恐怖の温床になるという設定が、観客を心の底から震え上がらせます。

祖母の死をきっかけに、グラハム家には奇妙な現象が次々と起こります。母アニーの不安定な精神、娘チャーリーの異様な存在感、そして父や息子を巻き込んでいく不可解な連鎖。血縁と運命に絡め取られる恐怖が、じわじわと家族を崩壊させていきます。

本作の恐怖は突発的なショックだけでなく、緻密に積み上げられる不安感にあります。何気ない日常のシーンが、後半に至ってすべて伏線だったと気づかされる構成は圧巻。観客は「見たくないのに目を逸らせない」心理状態に陥ります。

ラストで明かされる“継承”の意味は、観客に強烈な衝撃を残します。血筋から逃れられない宿命を描きながら、家族ホラーの極致として映画史に刻まれた名作です。

ノック 終末の訪問者

公開年	制作国	上映時間
2023年	アメリカ	100分

映画紹介：
M・ナイト・シャマラン監督による心理スリラー『ノック 終末の訪問者』は、観客の信念を試すような物語です。「世界を救うために、大切な誰かを犠牲にしなければならない」という極限の選択を突きつける設定が、息を詰まらせます。

人里離れた山荘に休暇で訪れた家族のもとに、突如として現れる4人の訪問者。彼らは「世界の破滅を防ぐために、この家族が犠牲を選ばなければならない」と語ります。その言葉が妄想なのか、それとも真実なのか──観客自身も判断を迫られるのです。

銃撃戦や派手な怪物は登場せず、中心にあるのは閉ざされた空間での心理的圧力。理不尽で理解不能な状況がじわじわと恐怖を広げ、観客を物語の人質にします。

信じるか、拒むか。愛する人を守るか、世界を救うか──本作はエンタメでありながらも哲学的な問いを突きつける作品です。

ノープ

公開年	制作国	上映時間
2022年	アメリカ	131分

映画紹介：
『ゲット・アウト』『アス』のジョーダン・ピール監督による第3作目、『ノープ』は「未知への恐怖」を現代的に描き出したSFホラーです。観客が「空を見上げる」という単純な行為すら怖くなるほどの強烈な体験を提供します。

カリフォルニアの片田舎で牧場を営む兄妹の前に現れる、正体不明の巨大な存在。牧場の上空に漂う異様な影、そして不可解な現象の数々。やがてそれが単なる「UFO」ではなく、捕食する生物そのものだと判明する展開は衝撃的です。

恐怖と同時に描かれるのは、娯楽産業における搾取や「見世物」としての人間心理。映像業界やメディアへの批判が織り込まれ、ホラーでありながら社会風刺としての深みも持ち合わせています。

圧倒的なスケールの映像美と、得体の知れない存在への本能的な恐怖。「空を見上げるのが怖い」という感覚を植え付けられる、唯一無二のモンスター・ホラーです。

スマイル

公開年	制作国	上映時間
2022年	アメリカ	115分

映画紹介：
『スマイル』は、笑顔という最も身近な表情を恐怖へと変換した異色の心理ホラーです。何気ない人間の“笑う”という行為が、ここまで不気味に見えるのかと観客を戦慄させます。

精神科医ローズの前に現れる患者が、自ら命を絶つ直前に浮かべた不気味な笑顔。そこから彼女は呪いのように広がる連鎖に取り込まれていきます。「次は自分かもしれない」という恐怖が観客にのしかかります。

ジャンプスケアの演出も効果的ですが、真に怖いのは「恐怖の表情が笑顔である」という倒錯。親しい人、見知らぬ人、誰の顔も信じられなくなる状況は、観る者の精神を削り取ります。

シンプルな設定ながら圧倒的な没入感を持ち、ホラー映画の新たなアイコンを生んだ一本。日常の笑顔が一転して悪夢に変わる、その瞬間をぜひ体験してください。

アス

公開年	制作国	上映時間
2019年	アメリカ	116分

映画紹介：
『ゲット・アウト』のジョーダン・ピール監督が再び放つ衝撃作。『アス』は、「自分と同じ姿をした存在」に襲われる恐怖を描いた心理ホラーです。観客は「もし自分と全く同じ存在に狙われたら」という想像に背筋を凍らされます。

休暇で訪れた海辺の家で、アデレード一家の前に現れたのは、彼らの“ドッペルゲンガー”。その顔は同じなのに、声や仕草は異様で、眼差しは人間味を失っています。「自分自身」という最も逃れられない存在を敵として突きつける設定は斬新かつ悪夢的です。

物語が進むにつれ、ドッペルゲンガーの正体や「地下で生きる人々」の存在が明らかになります。単なる怪異ではなく、社会的な分断や抑圧のメタファーとしての意味が込められているのも大きな特徴です。

緊迫のサスペンスと象徴的なテーマが融合した『アス』は、エンタメ性とメッセージ性を兼ね備えた現代ホラーの傑作です。

ブラック・スワン

公開年	制作国	上映時間
2010年	アメリカ	108分

映画紹介：
アカデミー賞主演女優賞を受賞したナタリー・ポートマンの怪演が光る『ブラック・スワン』。バレエ「白鳥の湖」の主役を射止めた女性が、プレッシャーと完璧主義に追い詰められ、狂気と自己崩壊へ堕ちていく心理ホラーです。

純粋無垢な「白鳥」と妖艶な「黒鳥」、二役を演じる重圧の中で、主人公ニナは徐々に現実と幻覚の境界を見失っていきます。鏡に映る自分の異様な姿、肌が裂け羽根が生える幻視──肉体と精神が壊れていく過程は観客を戦慄させます。

本作の怖さは怪物や殺人鬼ではなく、自分自身の内に潜む恐怖。母親の支配、ライバルへの嫉妬、そして完璧を求める心が作り出す闇が、観る者にも突き刺さります。

芸術と狂気が表裏一体であることを描いた本作は、ホラーでありながら芸術映画としての美しさも併せ持つ異色の傑作です。

イット・フォローズ

公開年	制作国	上映時間
2014年	アメリカ	100分

映画紹介：
『イット・フォローズ』は、シンプルながら恐怖の本質を突き詰めた現代ホラーの傑作です。“それ”は歩いて必ずやってくる──たとえどれだけ逃げても、決して止まらない追跡者。この設定だけで観客の心を掴み、終始背筋を凍らせます。

ある日、若者ジェイは“それ”に憑かれてしまいます。この呪いは性行為を介して感染し、対象をひたすら歩いて追い続けるのです。普段は見知らぬ人の姿を取るため、いつの間にか近づいてくる恐怖に観客も息をのむことになります。

特筆すべきは映像と音響のセンス。80年代風のシンセ音楽や、不気味にゆっくり迫ってくるカメラワークが、観る者を不安と緊張の沼に沈めます。「振り返れば常にそこにいる」という構図はトラウマ級のインパクトです。

性的メタファーと死の恐怖を融合させた本作は、ホラーの新たな形を提示した作品。シンプルなのに一生忘れられない恐怖を体験できる一本です。

サイレントヒル

公開年	制作国	上映時間
2006年	アメリカ／カナダ／フランス	126分

映画紹介：
伝説的ゲームシリーズを原作にしたホラー映画『サイレントヒル』。霧に包まれた廃墟の町に迷い込む母と娘の物語は、映像化不可能といわれた悪夢の世界を見事にスクリーンへ落とし込みました。

主人公ローズが探すのは行方不明になった娘シャロン。辿り着いたサイレントヒルの町は、灰の雪が舞い、無人の建物が立ち並ぶ異様な空間。そこに現れるのは、三角頭の処刑人や異形の怪物たち。宗教的狂信と呪われた過去が絡み合う物語は、観る者に絶望を突きつけます。

特筆すべきは、原作ゲームの世界観を忠実に再現したビジュアル。霧と闇に包まれた街並み、サイレンと共に訪れる“暗闇の世界”は、ゲームファンはもちろん未経験者をも圧倒する没入感を誇ります。

心を抉るストーリーと衝撃のラストが重なり、ホラー映画としてもドラマとしても深い余韻を残す作品。呪われた町の悪夢を体験したいなら必見です。

シャイニング

公開年	制作国	上映時間
1980年	アメリカ／イギリス	144分

映画紹介：
スタンリー・キューブリック監督によるホラー映画の金字塔『シャイニング』。スティーヴン・キングの小説を原作としながら、映像的な解釈を加えたことで、“恐怖映画の教科書”と呼ばれる存在となりました。

冬の間閉ざされるホテルに管理人として滞在するジャック一家。静寂に包まれた空間で、父ジャックは次第に狂気へと蝕まれていきます。赤い双子の少女、血のエレベーター、迷路のような廊下──映像美と不穏さが融合したシーンの数々は、ホラー史に刻まれる名場面です。

ジャック・ニコルソンの怪演は圧倒的。「Here’s Johnny!」のシーンは映画史に残る恐怖の瞬間であり、観客の脳裏に焼きつきます。

幽霊や血の幻影といった怪異に加え、人間そのものが化け物になっていく恐怖を描いた本作。時間が経っても色褪せない、ホラー映画の頂点に君臨する一本です。

ドクター・スリープ

公開年	制作国	上映時間
2019年	アメリカ	152分

映画紹介：
『シャイニング』の続編として40年ぶりに描かれたのが『ドクター・スリープ』です。あの悪夢のホテルで生き延びた少年ダニーが大人になり、再び“シャイニング”の力と呪われた過去に向き合う物語が展開されます。

アルコール依存に苦しみながら生きるダニーは、同じ力を持つ少女アブラと出会います。彼女を狙うのは「トゥルー・ノット」と呼ばれる不死の集団。彼らは子どもの命を吸い取り、永遠に生き延びる存在であり、人間の姿をした怪物として強烈な恐怖を放ちます。

物語はロードムービー的な広がりを持ちつつ、最終的には再びあの「オーバールック・ホテル」へと回帰。廊下や237号室、双子の少女など、『シャイニング』の悪夢が甦る瞬間に観客の心拍数は跳ね上がります。

過去の呪縛を乗り越えるか、それとも飲み込まれるか──。本作はホラーでありながら、人間の再生と贖罪の物語としての重みも兼ね備えています。

オーメン

公開年	制作国	上映時間
1976年	アメリカ／イギリス	111分

映画紹介：
悪魔の子ダミアンをめぐる恐怖を描いた古典的名作『オーメン』。聖書の黙示録をベースにした物語は、宗教的な畏怖と現実的な不安を融合させ、公開当時から今なお色あせない不気味さを放っています。

政治家ロバートが引き取った孤児ダミアン。だが彼の周囲では次々と不可解な死が起こり、やがて「彼こそが666を背負う反キリストではないか」という疑念が広がります。幼い子どもの無邪気な笑顔が恐怖へと反転する瞬間は、観客に強烈な戦慄を与えました。

聖職者の警告、動物園での異常な反応、そして母親の背筋を凍らせる確信。信じるか否かの葛藤が積み重なり、観客自身も逃れられない運命を追体験することになります。

不吉な音楽と衝撃的な死の描写が織りなす本作は、オカルトホラーの頂点といえる存在。ホラー史に名を刻む必見作です。

死霊館

公開年	制作国	上映時間
2013年	アメリカ	112分

映画紹介：
ジェームズ・ワン監督が手掛けた『死霊館』は、実在の心霊研究家ウォーレン夫妻の体験を基にしたホラー映画です。“実話ベースの恐怖”が観客を圧倒し、現代心霊ホラーの代表作として高い評価を得ています。

舞台は1971年、ロードアイランド州の古い一軒家。入居したペロン一家に次々と怪奇現象が襲いかかり、家具の移動、囁き声、そして家族を狙う邪悪な存在が姿を現します。呼び寄せられたエド＆ロレイン・ウォーレン夫妻が、悪霊との壮絶な対決に挑むのです。

本作の恐怖は派手なゴアではなく、演出と音響による緊張感の積み上げにあります。暗闇に潜む“何か”を想像させる手法は、観客の恐怖心を最大限に刺激します。

「家に帰ってからも思い出して怖くなる」タイプのホラー。クラシックな心霊要素を現代的に洗練させた傑作です。

アナベル 死霊人形の誕生

公開年	制作国	上映時間
2017年	アメリカ	109分

映画紹介：
『死霊館』シリーズでおなじみの呪われた人形アナベル。その起源を描いたのが『アナベル 死霊人形の誕生』です。「なぜアナベルは恐怖の象徴となったのか」を描くことで、観客の背筋をさらに凍らせます。

人形職人と妻が娘を事故で失ったことから始まる物語。孤児院の少女たちが彼らの屋敷に移り住むと、封印された人形アナベルが目を覚まし、次々と怪異が発生します。「禁じられた部屋」「開けてはいけない扉」といった古典的恐怖が巧みに活かされています。

暗闇の奥で蠢く影、ひとりでに動く人形、近づいてくる気配──ジャンプスケアの連続だけでなく、不気味な空気そのものが観客を圧倒。人形が動かなくても“いる”だけで恐怖を植え付けます。

本作はシリーズの中でも特に評価が高く、アナベルの存在感を決定づけた傑作。人形ホラーの入門編としてもおすすめです。

死霊館のシスター

公開年	制作国	上映時間
2018年	アメリカ	96分

映画紹介：
『死霊館』ユニバースでも特に異彩を放つスピンオフが『死霊館のシスター』です。修道院という閉ざされた聖域を舞台に、“聖なる場所こそが最も邪悪に侵される”という逆説的な恐怖を描きます。

舞台は1952年のルーマニア。若き見習い修道女と神父が、とある修道院での不可解な自殺を調査するため派遣されます。しかしそこで彼らを待ち受けていたのは、後に『死霊館2』で登場する悪魔バルク──恐怖のシスター姿の悪霊でした。

ゴシックホラーの要素を色濃く取り入れ、暗い回廊や祈りの声が反響する礼拝堂など、視覚と聴覚をフルに刺激する演出が光ります。十字架が逆さに変わる瞬間や、不気味に佇む修道女の姿は、観客を強烈な不安に陥れます。

『死霊館』シリーズを補完する重要な位置づけでありながら、単独のゴシックホラーとしても完成度が高い一作。信仰と邪悪の対立を体感できる作品です。

ソウ

公開年	制作国	上映時間
2004年	アメリカ	111分

映画紹介：
低予算ながら世界中で社会現象を巻き起こしたスリラー『ソウ』。本作は“拷問ホラー”の代名詞として知られるようになりましたが、単なる残虐映画にとどまらず、極限状態での人間心理を描き切ったサスペンスの傑作です。

物語の舞台は老朽化したバスルーム。目覚めた二人の男は、鎖につながれた状態で閉じ込められています。そこに残されたのは血まみれの死体、そして録音テープ。ジグソウと名乗る人物から課されるのは、「生き延びるためには残酷な選択をせよ」という残酷なゲームでした。

観客の想像力を刺激するグロテスクな仕掛け、緻密な脚本、そして衝撃的なラストのどんでん返し。全てが融合して、ホラー映画の新たな時代を切り拓いた一本といえるでしょう。

「痛み」と「選択」の恐怖をこれほどまで鮮烈に描いた映画は他にありません。拷問ホラーの原点にして頂点です。

ソウX

公開年	制作国	上映時間
2023年	アメリカ	118分

映画紹介：
シリーズ10作目にして原点回帰を果たした『ソウX』。本作は『ソウ』と『ソウ2』の間に位置する物語で、ジグソウ＝ジョン・クレイマー本人の悲哀と狂気に迫った異色作です。

余命宣告を受けたジョンが、治療のため訪れたメキシコで詐欺まがいの医療に騙されたことから復讐を開始。生存者ゲームとして仕掛けられるのは、過去作に匹敵する残酷さを誇るトラップの数々です。しかし本作の核心は、ジグソウ自身の物語にあるといえるでしょう。

巧妙な仕掛けと緻密なシナリオは健在でありつつ、従来作よりもジグソウの人間味や倫理観にフォーカス。彼の正義と狂気の境界が曖昧になることで、観客は複雑な感情に揺さぶられます。

ファン待望の“原点回帰”でありながら新たな深みを与えた本作は、シリーズ屈指の完成度として評価されるべき一作です。

ホステル

公開年	制作国	上映時間
2005年	アメリカ	94分

映画紹介：
イーライ・ロス監督が放った拷問ホラーの代表格『ホステル』。バックパッカーの若者たちが旅先で体験するのは、美しいヨーロッパの街並みではなく、人間の欲望がむき出しになった地獄絵図でした。

旅の途中で魅力的な女性たちに誘われ、快楽と刺激を求めて訪れたホステル。しかしそこは拷問ビジネスの拠点であり、金を払えば“人間狩り”を楽しめる組織の巣窟でした。観光気分から一転、極限の恐怖に叩き落される展開が観客を震え上がらせます。

人体破壊の描写は容赦なく、眼球を焼き切るシーンや切断の残虐さはトラウマ級。それでいて「人間の快楽と暴力の裏側」を突きつける社会的メッセージも潜んでいます。

グロ耐性が試される一方で、ただのスプラッターにとどまらない陰惨なリアリティを持つ作品。拷問ホラーの代名詞として外せない一本です。

テリファー 終わらない惨劇

公開年	制作国	上映時間
2022年	アメリカ	138分

映画紹介：
殺人ピエロ“アート・ザ・クラウン”が再び帰ってきた──『テリファー 終わらない惨劇』は、近年最も過激で問題作と評されたスプラッターホラーです。上映中に気分を悪くして退席する観客が出たというエピソードは有名で、その残虐さは群を抜いています。

物語はシンプル。アートが新たなターゲットを見つけ、街を血の海に変えていくというもの。しかし、本作の恐怖は筋書き以上に、観客の想像を超える残虐描写にあります。人体を切り刻み、引き裂き、笑いながら遊ぶように殺戮する姿は、ホラー耐性のある人でも目を覆うレベルです。

さらに本作では、アートの存在に謎めいた神秘性も加わり、単なる殺人鬼ではなく“不死の怪物”としての不気味さが強調されています。彼の行動原理が不明であることが、恐怖を一層深めています。

耐え難いゴア描写と、どこまでも続く惨劇の連鎖。「観る者の限界に挑む」といっても過言ではない、スプラッターホラーの到達点です。

セルビアン・フィルム

公開年	制作国	上映時間
2010年	セルビア	104分

映画紹介：
“世界で最も過激な映画”と呼ばれることもある問題作『セルビアン・フィルム』。その理由は、タブーを一切無視した暴力と性的描写にあります。ホラーを超えて人間の闇を直視させられるような作品で、鑑賞後に深いトラウマを残すことでも知られています。

引退したポルノ俳優が最後の仕事として参加したのは、芸術作品と称される映画の撮影。しかし次第に明らかになるのは、人間の尊厳を踏みにじる地獄のプロジェクトでした。彼が拒絶しようとすればするほど、取り返しのつかない惨劇が拡大していきます。

その衝撃的な内容から多くの国で上映禁止や規制を受け、いまも賛否両論が絶えません。グロテスクさと倫理的タブーをこれほどまでに描ききった映画は稀であり、観ること自体が試練といえる作品です。

ホラーを観慣れた人でも覚悟が必要。極限まで挑戦的で過激な映画を求めるなら、避けて通れない一本です。

マーターズ

公開年	制作国	上映時間
2008年	フランス／カナダ	99分

映画紹介：
フレンチ・エクストリミティの代表作として語り継がれる『マーターズ』。その名の通り“殉教者”をテーマに掲げ、極限の苦痛と救済の境界を描いた衝撃的なホラー映画です。

幼少期に虐待を受けたルーシーが、成長して復讐に乗り出すところから物語は始まります。しかしその後の展開は観客の予想を裏切り、単なるリベンジスリラーから拷問と精神崩壊の地獄絵図へと転じていきます。

痛々しい暴力描写だけでなく、極限まで追い詰められた先に見える“啓示”や“宗教的真理”がテーマに組み込まれており、観客を強烈に揺さぶります。その哲学的な問いかけは、ホラーの枠を超えた深みを与えています。

残酷描写に耐えられる人でなければ最後まで観るのも困難ですが、一度観たら忘れられない究極の体験を与えてくれる作品です。

ムカデ人間

公開年	制作国	上映時間
2009年	オランダ	92分

映画紹介：
その異常すぎる発想で世界中のホラーファンに衝撃を与えた『ムカデ人間』。医師が人間同士を口と肛門でつなぎ合わせるという狂気の実験を描いた、まさに問題作中の問題作です。

ドイツの孤独な館に迷い込んだ若い旅行者たちが、狂気の外科医に捕らえられ、“人間ムカデ”としてつなぎ合わされる──という設定は、想像しただけで吐き気を催すほど。ストーリーは単純ながら、その発想自体が強烈な恐怖と嫌悪感を生みます。

グロ描写自体は控えめですが、観る者の想像力を刺激する不快さが圧倒的。心理的なグロテスクさこそが、本作の真髄といえるでしょう。

“耐性テスト映画”として有名で、ホラー上級者でさえも試練を感じる一本。狂気の発想を体験したいなら外せないタイトルです。

ファニーゲーム

公開年	制作国	上映時間
1997年	オーストリア	108分

映画紹介：
マイケル・ハネケ監督による衝撃作『ファニーゲーム』は、ホラーというより人間の残酷さと無力感を突きつける心理的恐怖の傑作です。血みどろの描写はほとんどないのに、観終わった後には強烈な不快感が残ります。

休暇を楽しもうと別荘を訪れた一家の前に現れるのは、白い服に身を包んだ二人の青年。丁寧で礼儀正しい態度から一転、彼らは一家を支配し、ゲーム感覚で残虐な行為を仕掛けていきます。その冷酷さは超自然的存在以上に恐ろしく、観客は無力感を共有させられます。

本作の恐怖は「いつ殺されるか分からない」緊張感よりも、人間の善悪を超えた無意味な暴力にあります。観客すら巻き込み、映画と現実の境界を揺さぶる演出は唯一無二です。

グロ描写が少ないからといって油断は禁物。精神的ダメージの大きさでは屈指の一本といえるでしょう。

羊たちの沈黙

公開年	制作国	上映時間
1991年	アメリカ	118分

映画紹介：
アカデミー賞主要5部門を制覇した稀代のサイコ・サスペンス『羊たちの沈黙』。ホラー映画としてもサスペンス映画としても屈指の完成度を誇り、人間の狂気が最も恐ろしいことを証明した作品です。

FBI訓練生クラリスは、連続殺人鬼を追うため収監中の天才精神科医ハンニバル・レクターに協力を求めます。鉄格子越しの会話から始まる二人の駆け引きは緊張感に満ち、人間心理を操るレクター博士の存在感が全編を支配します。

バッファロー・ビルの猟奇的な犯行も衝撃的ですが、それ以上に恐ろしいのは、知性と洗練を併せ持つレクター博士のカリスマ性。彼が笑顔を見せるだけで、観客の背筋は凍りつきます。

サイコホラーの金字塔にして心理戦の最高峰。「恐怖は人間の心に宿る」ことを突きつける名作です。

ミザリー

公開年	制作国	上映時間
1990年	アメリカ	107分

映画紹介：
スティーヴン・キング原作の『ミザリー』は、ファン心理と狂気が交差するサイコホラーの傑作です。「偶像崇拝が恐怖に変わる瞬間」をこれほど見事に描いた映画は他にありません。

交通事故に遭った小説家ポールを救ったのは、彼の熱狂的ファンである看護師アニー。だがその優しさは一変し、彼女は“ミザリー”シリーズの続編を書かせるためにポールを監禁。「愛」と「狂気」が裏返った異常な支配が始まります。

特筆すべきはキャシー・ベイツの怪演。日常的な言葉と笑顔で相手を追い詰め、突如として爆発する暴力性は圧倒的で、彼女は本作でアカデミー主演女優賞を受賞しました。

密室劇だからこそ生まれる濃密な恐怖。“信じてはいけない優しさ”を体感させる、心理ホラーの金字塔です。

ザ・フライ

公開年	制作国	上映時間
1986年	アメリカ	96分

映画紹介：
デヴィッド・クローネンバーグ監督による『ザ・フライ』は、リメイクでありながらオリジナルを超える評価を獲得したボディホラーの傑作です。科学の夢が狂気へと変わる過程を描き、肉体の崩壊と愛の悲劇を同時に突きつけてきます。

天才科学者セスが発明したテレポッド。しかし実験中にハエと融合してしまったことで、彼の肉体は徐々に異形へと変貌していきます。歯が抜け落ち、皮膚がただれ、身体機能が壊れていく様は、人間が人間でなくなる恐怖を徹底的に描いています。

本作の恐怖はグロテスクな変身描写だけでなく、セスを愛し続ける女性の視点にもあります。「愛する人が怪物に変わっていく」という切なさが、ただのホラーを超えた強烈な感動を与えます。

観客に深いトラウマを残しつつも、映画史に残る名作として語り継がれる一作。ボディホラーにしてラブストーリーという唯一無二の魅力を放っています。

パラノーマル・アクティビティ

公開年	制作国	上映時間
2007年	アメリカ	86分

映画紹介：
低予算ながら世界中で大ヒットし、“モキュメンタリーホラー”ブームを巻き起こした『パラノーマル・アクティビティ』。ホームビデオの視点で描かれる日常と怪異の交錯が、圧倒的な臨場感を生み出します。

平凡なカップルが自宅での不思議な現象を記録しようとカメラを設置。最初は些細な物音やドアの揺れから始まりますが、次第に不可解な現象はエスカレートし、日常が恐怖に侵食されていく様をリアルに描きます。

派手な演出はなく、カメラが捉える静かな映像と微かな異変に観客の神経が研ぎ澄まされます。何も起きない“沈黙の時間”が恐怖を膨らませ、突如訪れる衝撃で心臓を鷲掴みにされます。

「もし自分の部屋で同じことが起きたら？」と想像してしまう、生活に侵入してくる恐怖が本作の最大の魅力。シンプルながらも強烈なインパクトを残す一作です。

ブレア・ウィッチ・プロジェクト

公開年	制作国	上映時間
1999年	アメリカ	81分

映画紹介：
『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』は、低予算で製作されながらも世界中で大ヒットを記録し、モキュメンタリーホラーの先駆けとして映画史に名を刻んだ作品です。森の中で撮影された手持ちカメラ映像は、リアルすぎて“本物の記録映像ではないか”と話題になりました。

3人の学生が伝説の魔女を取材するため森へ入るも、次第に不可解な現象に巻き込まれていきます。夜ごとに聞こえる物音、テントの周囲に置かれる不気味な石の印、そして仲間が消えていく恐怖。「見えない恐怖」を徹底的に追求しています。

本作の最大の特徴は、決して“魔女”を直接映さないこと。観客はカメラを通して断片的にしか状況を見られず、想像力で恐怖を補完させられる仕掛けになっています。

上映当時は「実際の事件を記録した映像」と信じた観客が続出。映画館を出てもなお恐怖が尾を引く、まさに伝説級のモキュメンタリーホラーです。

REC／レック

公開年	制作国	上映時間
2007年	スペイン	78分

映画紹介：
『REC／レック』は、スペイン発のモキュメンタリーホラーであり、臨場感と絶望感を極限まで高めた名作です。わずか78分という短い尺ながら、観客を休む間もなく恐怖の渦に叩き込みます。

テレビ番組の取材で消防署に同行していた女性リポーターが、とあるアパートでの異常事態に巻き込まれるところから物語が展開。隔離され、外界との連絡が断たれた建物の中で、感染症による狂暴化が連鎖し、住人たちは次々と怪物と化していきます。

カメラ視点で描かれるため、観客はその場に取り残されたような没入感を体験。暗闇での混乱、逃げ場のない階段、そして息をのむような最終局面──息苦しさすら感じるリアルな恐怖が押し寄せます。

後にハリウッドで『REC:レック／ザ・クアランティン』としてリメイクされましたが、オリジナル版の圧倒的な緊張感は唯一無二。モキュメンタリーホラーの頂点として語り継がれるべき一作です。

グレイヴ・エンカウンターズ

公開年	制作国	上映時間
2011年	カナダ	92分

映画紹介：
廃墟化した精神病院を舞台にしたモキュメンタリーホラー『グレイヴ・エンカウンターズ』。心霊ドキュメンタリー番組の撮影クルーが、本物の怪異に閉じ込められるというシチュエーションを描き、口コミで“ガチで怖い”と話題になった一作です。

軽い気持ちで撮影に臨んでいたクルーたちは、建物の内部で次々と異常現象に遭遇。やがて出口が消失し、時間の感覚すら失われていきます。無限ループのような廃墟での恐怖体験は、観客を極限の不安に追い込みます。

暗視カメラで映し出される顔の変容や、突如として現れる亡霊は、ジャンプスケア以上の不気味さを放ちます。単なる幽霊映画ではなく、“逃げ場のない恐怖”を徹底的に描いたのが本作の特徴です。

モキュメンタリーホラー好きなら必見。『REC』に続く衝撃を与えた、廃墟探索ホラーの傑作です。

デッドストリーム

公開年	制作国	上映時間
2022年	アメリカ	89分

映画紹介：
現代的な恐怖を巧みに取り入れた『デッドストリーム』は、配信文化と心霊ホラーを融合させた意欲作です。問題を起こして落ち目になった配信者が「幽霊屋敷での生配信」で復活を狙う──というユニークな設定で始まります。

主人公は廃墟と化した屋敷で24時間配信を敢行。最初は視聴者を意識した軽口やおふざけが中心ですが、やがて本物の怪異が姿を現し、冗談が本当の悲鳴へと変わっていく恐怖が描かれます。

一人称視点とリアルタイム進行による臨場感は抜群。さらにコメディ要素もあり、緊張と笑いが交互に押し寄せることで、恐怖が一層際立っています。

「現代版『死霊のはらわた』」とも呼ばれる本作は、デジタル時代だからこそ生まれた新しい心霊ホラー。配信文化の裏に潜む恐怖を楽しめる一本です。

仄暗い水の底から

公開年	制作国	上映時間
2002年	日本	101分

映画紹介：
『仄暗い水の底から』は、中田秀夫監督が『リング』に続いて手がけたJホラーの代表作。水にまつわる怪異をモチーフに、母と娘の絆をテーマにした切なくも恐ろしい物語です。

離婚調停中の主人公・松原淑美は、幼い娘と共に老朽化したマンションに引っ越します。しかし、天井から滴る水や上階の部屋から聞こえる足音など、得体の知れない異変に次第に追い詰められていきます。

やがて明らかになるのは、行方不明となった少女の存在。水浸しの赤いバッグが繰り返し現れる演出は、観客にじわじわと不安を植え付け、日常の中に潜む心霊的恐怖を際立たせています。

ただ怖いだけではなく、母と子の愛情が物語の核にあるため、ラストは涙を誘う切なさが残ります。恐怖と哀しみが交錯する、Jホラー屈指の名作です。

着信アリ

公開年	制作国	上映時間
2003年	日本	112分

映画紹介：
『着信アリ』は、携帯電話という当時の最新テクノロジーとJホラー特有の「呪い」を融合させた大ヒット作です。電話一本が“死の予告状”に変わるというシンプルながら斬新な恐怖が、多くの観客を震え上がらせました。

ある日、携帯に自分の声で「未来の着信」が届く。その日付と時刻になると、予告通りの死が訪れる──。不可解な事件に巻き込まれた主人公たちは、着信の謎を追ううちに、背後に潜む呪いの真相へと近づいていきます。

次第に迫る“死のタイマー”が観客に強烈な緊張感を与え、着信音が鳴るたびに心臓が凍りつく恐怖を味わえます。身近なツールが一瞬で恐怖の象徴に変わる仕掛けは、今観ても斬新です。

携帯ホラーの先駆けであり、後のリメイクや派生作品にも影響を与えた一本。Jホラー黄金期を代表する名作です。

呪怨

公開年	制作国	上映時間
2002年	日本	92分

映画紹介：
清水崇監督による『呪怨』は、Jホラーの象徴ともいえる名作。「一度呪われたら逃れられない」という圧倒的な絶望感が特徴で、観客に強烈なトラウマを植え付けました。

舞台はとある一軒家。過去に起きた残虐な事件の“呪い”がそこに棲みつき、訪れる者を容赦なく巻き込んでいきます。老婆のような声を響かせる俊雄、そして這いずる伽椰子の姿は、日本ホラー史に残る怪異として世界的に知られる存在となりました。

物語は断片的に進行し、登場人物が次々と呪いに取り込まれていくため、回避不能の連鎖が恐怖を増幅させます。観客は「次は誰が呪われるのか」と怯えながら、終始張り詰めた空気を味わうことになります。

シンプルでありながら強烈な映像表現と、不条理な恐怖感。『リング』と並ぶJホラーの金字塔にして、世界を震撼させた作品です。

来る

公開年	制作国	上映時間
2018年	日本	134分

映画紹介：
中島哲也監督による『来る』は、日本ホラーの枠を超えた大作として高い評価を受けた作品です。澤村伊智の小説『ぼぎわんが、来る』を原作に、人間ドラマと超常的な恐怖が融合した壮大な物語が展開されます。

平凡なサラリーマン・田原秀樹の周囲で次々と不可解な怪異が発生。やがて彼の家族を標的にする“それ”の存在が明らかになっていきます。霊媒師やオカルトライターが巻き込まれ、巨大な呪いとの壮絶な戦いが繰り広げられることに。

圧倒的な映像美とド派手な除霊シーンは邦画ホラーとして異例のスケール感。さらに、人間関係の闇や家族の崩壊が恐怖をより深いものにしています。

ただ怖いだけではなく、“人間の弱さ”を描いたドラマ性も強く、観終わった後に心に残る余韻を持つ作品です。

残穢【ざんえ】－住んではいけない部屋－

公開年	制作国	上映時間
2016年	日本	107分

映画紹介：
『残穢－住んではいけない部屋－』は、小野不由美の小説を原作にした心霊ホラー。「怪異は場所に残り、連鎖していく」という恐怖をリアルに描き、静かな不気味さで観客を追い詰めます。

マンションに住む女性から届いた「部屋で奇妙な音がする」という相談をきっかけに、怪異の調査が始まります。調査を進めるにつれ、その部屋だけでなく土地や過去の出来事にまで遡る必要があり、“怪異の連鎖”が浮かび上がっていきます。

派手な幽霊描写は少なく、じわじわと忍び寄る恐怖が中心。実際に起こってもおかしくないリアルさと、「知らなければよかった」と思わせる設定が特徴です。

観た後も背後を振り返りたくなるほどの余韻を残す、Jホラーらしい静かで深い恐怖を味わえる一作です。

ノロイ

公開年	制作国	上映時間
2005年	日本	115分

映画紹介：
白石晃士監督による『ノロイ』は、日本発のモキュメンタリーホラーの金字塔です。ドキュメンタリー番組の体裁をとりながら、次第に恐ろしい真相へと迫っていく展開は、“本当にあったのでは”と錯覚させるリアルさを持っています。

霊能者や心霊現象を追う映像作家・小林雅文が、取材を進めるうちに次々と不可解な事件や奇妙な人物に遭遇。やがて「古代の呪い」にまつわる真相が浮かび上がっていきます。断片的に提示される情報が次第に一本の線で結ばれていく過程は圧巻です。

特殊効果に頼らず、あえて素人っぽい映像で構成されているため、リアリティが凄まじい。観客は「これは映画ではなく記録映像ではないか？」と錯覚し、ドキュメンタリーを観ている感覚で恐怖を体験します。

世界的にも高く評価され、カルト的な人気を誇る作品。理屈では説明できない恐怖を味わいたい人におすすめです。

シックス・センス

公開年	制作国	上映時間
1999年	アメリカ	107分

映画紹介：
M・ナイト・シャマラン監督の代表作『シックス・センス』は、静かな恐怖と感動が融合した異色のホラー。ホラー映画でありながらアカデミー賞6部門にノミネートされるなど、映画史に残る傑作です。

主人公は「死者が見える」少年コールと、彼を助けようとする精神科医マルコム。日常に突然現れる幽霊たちは決して派手ではないものの、静かで不気味な存在感で観客を震え上がらせます。

単なる心霊ホラーにとどまらず、少年と医師の交流を通じて「死者の想いを受け止める」物語へと昇華。特にラストの衝撃的な真実は、公開当時世界中を驚かせました。

恐怖だけでなく深い感動を与えてくれる、“泣けるホラー”の代表格ともいえる一作です。

ザ・リング

公開年	制作国	上映時間
1998年	日本	96分

映画紹介：
中田秀夫監督の『リング』は、Jホラーを世界に知らしめた金字塔的作品。「呪いのビデオを見たら一週間後に死ぬ」という設定は、観客の生活にまで恐怖を侵食しました。

ジャーナリストの浅川玲子が、若者たちの謎の死を調査するうちに、“呪いのビデオ”の存在にたどり着きます。やがて彼女自身もそのビデオを見てしまい、死のカウントダウンが始まります。

テレビから這い出してくる貞子のシーンは映画史に残る衝撃的瞬間。ホラーに革命をもたらしただけでなく、日常のアイテムを恐怖の象徴に変えるという革新性で世界中に衝撃を与えました。

“和製ホラー”の静かな演出と圧倒的な不気味さで、今なお多くの人のトラウマになっている一作です。

呪詛

公開年	制作国	上映時間
2022年	台湾	111分

映画紹介：
台湾ホラーの新たな傑作『呪詛』は、Netflixで配信され世界的に大反響を呼んだモキュメンタリーホラーです。視聴者に直接語りかけるスタイルを用い、観ている自分まで呪いに巻き込まれるような没入感を与えます。

物語は、禁じられた宗教儀式に関わったことで恐ろしい呪いを背負った女性と、その娘を巡るもの。母が必死に呪いから子を守ろうとする姿が描かれ、「親子の愛」と「呪いの連鎖」が同時に胸を締め付けます。

映像は手持ちカメラや監視カメラを駆使し、断片的に恐怖が積み上げられていきます。現実と虚構の境界を曖昧にし、視聴者自身が呪いに参加しているかのような感覚を覚えるのが最大の特徴です。

アジアホラーの新しい到達点として高く評価され、同時に「観た人も呪われる」という噂を生んだ危険な一本。強烈な没入感を味わいたい人には必見の作品です。

女神の継承

公開年	制作国	上映時間
2021年	タイ／韓国合作	131分

映画紹介：
『哭声／コクソン』の監督ナ・ホンジンが製作に参加し話題となった『女神の継承』は、シャーマニズムと家族の悲劇が融合したモキュメンタリーホラーです。タイの山岳地帯を舞台に、現地の宗教文化をリアルに描きながら、容赦のない恐怖を突きつけてきます。

物語は、代々続く巫女の家系に生まれた女性と、その姪に起きる異変を追うドキュメンタリーチームの視点で進みます。信仰と呪いが入り混じり、やがて“人間が壊れていく過程”が容赦なく記録されていきます。

緩やかに進む前半は、リアルな民俗取材のようで不思議な魅力を持ちますが、後半は一転して地獄絵図。儀式の崩壊と狂気の連鎖は、観客に強烈なトラウマを残します。

アジア的宗教観と家族の呪縛を描き出した本作は、“文化的ホラー”の頂点といえる一作。単なる恐怖を超えた深い余韻を味わえます。

ババドック 暗闇の魔物

公開年	制作国	上映時間
2014年	オーストラリア	94分

映画紹介：
『ババドック 暗闇の魔物』は、母子家庭の孤独と心の闇をモンスターに具現化した、心理ホラーの傑作です。ホラーでありながら社会的テーマも孕んでおり、観る者に深い余韻を残します。

夫を亡くした母アメリアと、問題を抱える息子サミュエル。ある日、謎の絵本「ババドック」が家に現れ、読み進めるうちに怪異が現実に侵入していきます。やがて母子は、心の闇そのものが形を取った存在と対峙することに。

単なるモンスター映画ではなく、喪失・育児・精神的疲弊といったリアルなテーマが重なり、観客の心を突き刺します。ババドックの姿や音は不気味ですが、それ以上に「心が壊れていく恐怖」が際立っています。

ホラーでありながら母と子の関係を描いた物語は、怖さと切なさを同時に味わえる異色作。心理的にじわじわ効いてくる一作です。

バーバリアン

公開年	制作国	上映時間
2022年	アメリカ	102分

映画紹介：
『バーバリアン』は、予想を裏切る展開で世界中のホラーファンを震撼させた一本。「その家には絶対泊まってはいけない」というシンプルな設定から始まり、観客を想像を超える恐怖へと導きます。

出張先で借りたAirbnbに到着した女性。しかしそこにはすでに別の男性客が滞在していました。奇妙な状況に戸惑いながらも泊まることにした彼女は、やがて地下に隠された戦慄の秘密を発見します。

本作の最大の魅力は、物語が進むにつれてジャンルが変化していくこと。序盤はサスペンス、次にスラッシャー、さらに異形ホラーへと転調し、観客を翻弄します。先が読めない緊張感が最後まで持続します。

ホラーの枠を超えた衝撃的な展開と不気味な雰囲気。2020年代を代表する新しい恐怖体験です。

“本気の恐怖”を味わうなら、U-NEXTで

『エクソシスト』『ゲット・アウト』『IT／イット “それ”が見えたら、終わり。』といった、映画史に名を刻む最恐ホラーも、U-NEXTなら豊富に揃っています。

悪魔に憑かれる恐怖、人種差別を題材にした社会派スリラー、そしてピエロが姿を変えて現れる怪物──。それぞれ異なるタイプの恐怖が、観る者の心に深く爪痕を残します。

U-NEXTなら、これらの“絶対に外せないホラー映画”を見放題で楽しめるだけでなく、毎月1,200円分のポイントが付与されるため、最新作やレンタル作品も追加料金なしで視聴できます。

初回登録は31日間の無料トライアル付き。
世界中を震え上がらせた“究極の恐怖”を、この機会にぜひU-NEXTで体験してみてください。

▶ U-NEXTのおすすめポイント

＼ 初回31日間は無料登録可能！ ／

※解約はいつでも可能です

“最恐”の名にふさわしい、眠れなくなる恐怖を。

幽霊、呪い、狂気、異形、そして人間そのもの──。

ホラー映画が描き出す恐怖は多種多様ですが、そのどれもが私たちの心の奥底にある「見たくないもの」「触れてはいけない感情」を容赦なく突きつけます。だからこそ“最恐ホラー”と呼ばれる作品は、ただ怖いだけでなく、観る人の人生に刻まれる体験となるのです。

今回紹介した50本は、時代も国もスタイルも異なりながら、すべてが「眠れなくなる究極の恐怖」を持っています。あなたが求めるのは静かな恐怖か、衝撃的なグロか、それとも心に染みつく狂気か──必ず琴線に触れる一本が見つかるはずです。

ホラーは単なる娯楽ではありません。恐怖と向き合うことでしか得られない興奮とカタルシスがあります。まだ観ていない作品があるなら、ぜひ挑んでみてください。きっと、あなたの“最恐体験”がそこに待っています。