”貞子”映画シリーズの歴代順番を完全網羅｜初代から最新作まで一挙紹介！

日本ホラー史を語るうえで、決して避けて通れない存在──。

それが「貞子」というキャラクターです。

呪いのビデオ、井戸、そしてあの長い黒髪…スクリーン越しにトラウマを植えつけられた人も多いはず。だが、貞子は一作限りの怪物ではありません。時代とともに姿を変え、何度も私たちの前に現れてきました。

この記事では、1998年の初代『リング』から、最新作『貞子DX』まで──「貞子」が登場する実写映画シリーズを”公開順”に完全網羅。
観る順番に迷っている方、初代からしっかり追いたい方に向けて、各作品の見どころも交えて紹介します。

この呪い、まだ終わってはいません──。

貞子映画シリーズを公開順に紹介｜歴代作品の怖さ＆ジャンル早見表

タイトル	ジャンル	怖さ
リング	呪い・Jホラー
らせん	医療・サイエンス
リング2	心霊・続編
リング0 バースデイ	前日譚・悲劇
貞子3D	現代呪い・3D
貞子3D2	続編・母性ホラー
貞子 vs 伽椰子	クロスオーバー・企画系
貞子（2019）	心理・SNS呪い
貞子DX	エンタメ・ミステリー

リング

公開年	制作国	上映時間
1998年1月31日	日本	95分

映画紹介：
「見た者は1週間後に死ぬ」──そんな都市伝説のような呪いのビデオを追う、社会派ホラーの金字塔。『リング』は、Jホラーの原点にして頂点とも称される名作です。

不可解な死を遂げた若者たちの共通点。それは、“あるビデオ”を見たこと──。真相を探るテレビレポーター・玲子が、やがてたどり着くのは、井戸にまつわる忌まわしき記憶と貞子という名の怨霊の存在。画面から這い出すあのシーンは、今もホラー史に残る名場面として語り継がれています。

本作の魅力は、派手な演出ではなく、じわじわと忍び寄る“見えない恐怖”。音、間、映像の静けさが完璧に計算されており、観る者の神経を少しずつ蝕んでいきます。

ホラーを超えて社会現象にまでなった『リング』は、日本ホラーの代名詞として今なお多くの作品に影響を与え続けています。観たことがある人も、今だからこそもう一度、あの“呪い”を体験してみてください。

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らせん

公開年	制作国	上映時間
1998年1月31日	日本	97分

映画紹介：
『リング』と同時公開されたもう一つの“公式続編”。『らせん』は、ホラーから一転、科学と死をテーマにした異色作です。怖さよりも、人間の本質に迫る哲学的な空気が漂います。

法医学者・安藤が解剖した遺体は、かつての親友・高山竜司。だが、不可解な死因と奇妙な出来事が次々と彼を呪いの核心へと導いていきます。ここに描かれる貞子は、もはや単なる幽霊ではなく、人間の進化や再生を象徴する存在として描かれます。

サスペンス色が強く、ホラーというよりも生命倫理やウイルス、再生医療といったテーマに踏み込んでおり、好き嫌いは分かれるかもしれません。しかし、原作小説に忠実な描写は、ある意味“正統派リングワールド”の姿と言えるでしょう。

ホラーを求めて観ると拍子抜けするかもしれませんが、貞子という存在を深く理解したい人には必見の一作。知的好奇心を刺激する「もうひとつのリング」、体感してみてください。

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リング2

公開年	制作国	上映時間
1999年1月23日	日本	95分

映画紹介：
“呪いのビデオ”の恐怖は、まだ終わっていなかった──。『リング2』は、前作の大ヒットを受けて制作されたオリジナル続編であり、貞子の怨念がさらに現実世界へと浸食していく恐怖を描いた作品です。

『リング』の事件後、姿を消した玲子と息子の行方、そして新たに呪いに巻き込まれる者たち。物語はジャーナリストの舞と、玲子の同僚・岡崎を中心に展開され、貞子の怨念が“記録媒体”を超えて人々に取り憑く様子が描かれていきます。

本作の魅力は、“説明しすぎない恐怖”。映像や音に頼らず、気配・空気・沈黙で観客の想像力を煽る演出は健在で、リング特有の“心がざわつく不安感”が濃く表現されています。

『リング』と同じく中田秀夫監督が手がけ、恐怖の方向性は継承しつつも、呪いの拡張性と貞子の存在感をより強調した作り。やや冗長に感じる部分もありますが、「呪いは終わらない」ことを実感させる一本です。

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リング0 バースデイ

公開年	制作国	上映時間
2000年1月22日	日本	99分

映画紹介：
“貞子は、もともと人間だった”──。『リング0 バースデイ』は、貞子という存在の起源に迫る前日譚。ホラーでありながら、切なさと悲しみを帯びた異色の人間ドラマでもあります。

舞台は『リング』の30年前。演劇団に所属する内気な少女・山村貞子は、人と違う“何か”を抱えながらも、静かに生活していました。しかし、ある事件をきっかけに周囲との歪な関係が浮き彫りとなり、やがて取り返しのつかない惨劇へと繋がっていきます。

恐怖の象徴だった貞子に「感情」や「苦悩」が与えられることで、物語は全く異なる表情を見せます。ホラーでありながら、“可哀想”という感情が芽生えてしまう。このアンビバレントな体験こそが本作最大の魅力です。

ただ怖いだけではない、“貞子という存在”を深く知るには欠かせない一作。観終わった後、あなたの中の貞子像はきっと変わるはずです。

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貞子3D

公開年	制作国	上映時間
2012年5月12日	日本	96分

映画紹介：
スマホ時代に進化した“新しい貞子”が、あなたのすぐそばに──。『貞子3D』は、シリーズを現代にアップデートし、ネット動画を介して拡散される呪いを描いたアクション寄りのホラー作品です。

「呪いの動画を見た者が死ぬ」という都市伝説が流れる中、高校教師の茜は、生徒の不可解な死をきっかけに事件の真相を追い始めます。そこで浮かび上がるのは、復活を企む謎の男と、ネット空間で蘇った貞子の影──。

3D映像ならではの“飛び出す貞子”演出や、動き回る髪の毛、巨大化する異形の存在など、これまでの“静”の恐怖とは異なり、エンタメ性とアクション色が強め。原作の雰囲気とは大きく異なるため、旧作ファンには賛否ある一本です。

ただし、「新しい貞子像」に挑戦した意欲作であることは間違いなし。B級的な楽しさを求める人にはハマる可能性大です。

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貞子3D2

公開年	制作国	上映時間
2013年8月30日	日本	96分

映画紹介：
「今度の呪いは、あなたの大切な人を壊す──」前作『貞子3D』の直接的な続編である『貞子3D2』は、母性と呪いが交錯する異色のホラー。子どもを守りたい想いと、避けられない死の運命が静かに衝突していきます。

主人公は、茜の娘・凪を預かる看護師の楓子。次々と周囲の人間が“ある動画”をきっかけに死んでいく中で、無口な少女・凪の存在に違和感が漂い始めます。物語が進むにつれ、茜や凪に秘められた過去と、貞子の因縁が浮かび上がります。

前作よりも演出は控えめになり、不穏な空気とじわじわした恐怖に焦点が当たった構成に。ホラー描写よりも、育児不安や罪悪感といった心理描写の比重が大きく、より内面に訴えかける作風です。

貞子の恐怖を“家族”のテーマで描いた意欲作。怖がらせるだけではない、感情の揺れを描いたホラーが好きな人には刺さるかもしれません。

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貞子 vs 伽椰子

公開年	制作国	上映時間
2016年6月18日	日本	98分

映画紹介：
「日本ホラー界、最恐の2大怨霊がついに激突！」──『貞子 vs 伽椰子』は、『リング』シリーズの貞子と、『呪怨』シリーズの伽椰子が夢の対決を果たす、クロスオーバー型ホラー・エンタメの異色作です。

呪いのビデオを見てしまった女子大生と、呪われた家に足を踏み入れてしまった女子高生。彼女たちの運命が交錯する時、“貞子の呪い”と“伽椰子の怨念”がぶつかり合う恐怖の饗宴が幕を開けます。

企画モノと思いきや、意外にも作りは本格派。ジャンプスケアやホラー演出も多用され、両シリーズのエッセンスをしっかり盛り込んだ構成はファンにも嬉しい仕上がりです。もちろん、“あの対決シーン”は必見。

本気なのかネタなのか、絶妙なバランスで展開する本作は、ホラーとエンタメの狭間にある快作。笑ってもいい、怖がってもいい、“最恐タッグバトル”をぜひその目で。

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貞子（2019）

公開年	制作国	上映時間
2019年5月24日	日本	99分

映画紹介：
令和の時代に、あの貞子が帰ってきた──。『貞子（2019）』は、シリーズ第1作を手がけた中田秀夫監督が再びメガホンを取り、現代社会に“呪い”がどう受け継がれていくのかを描いたリブート的作品です。

病院で保護された記憶喪失の少女。彼女をきっかけに、次々と怪異が発生し、心理カウンセラーの茉優がその真相に迫っていきます。呪いのビデオからSNSへ──時代に合わせて変化する呪いの形に、現代人の無意識な恐怖がにじみます。

全体的に抑制の効いた演出で、ホラーというよりはサスペンスとヒューマンドラマ寄り。従来の“Jホラーの怖さ”を求めると物足りないかもしれませんが、原点回帰的な真面目さと、貞子という存在の「孤独」を丁寧に描いています。

貞子のイメージ刷新を図った一本。新規ファンへの導入にもおすすめですが、従来の貞子ファンは心の準備をして臨むべし。

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貞子DX

公開年	制作国	上映時間
2022年10月28日	日本	99分

映画紹介：
「呪いを、論理で解け。」──ホラーの常識をひっくり返す知的エンタメホラー、それが『貞子DX』。本作は、“呪い”という超常現象に、IQ200の天才女子大生が挑むという斬新な切り口で話題を呼びました。

呪いのビデオによる連続死事件が多発する中、「それは本当に呪いなのか？」と疑問を抱く主人公・一条文華。彼女はSNSや動画拡散を駆使しながら、呪いの正体を“科学”と“論理”で暴こうと試みます。だがその裏では、進化した貞子の影が静かに迫っていた──。

これまでのシリーズと比べて圧倒的に軽快でテンポがよく、ホラー×ミステリー×コメディの要素が絶妙に混ざり合っています。ガチホラーファンには物足りないかもしれませんが、「怖すぎない貞子」を求める層にはピッタリの入門作です。

貞子＝恐怖の象徴というイメージを崩しつつも、新しい魅力を見せてくれた異色作。今の時代だからこその“軽ホラー”として、一見の価値ありです。

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こうして振り返ると、貞子という存在は単なる“幽霊キャラ”ではなく、時代とともに姿を変えながら私たちの前に現れてきた“日本ホラーの象徴”と言えるでしょう。

初代『リング』の震えるような静けさ、悲しみに満ちた『リング0』、ネット時代の『貞子3D』、そして知性で挑む『貞子DX』まで──ひとつの怨霊をここまで多面的に描き続けたシリーズは、世界的にも類を見ません。

まだ観ていない作品がある方は、ぜひこの機会に順番に追ってみてください。どの時代の貞子にも、“時代を映す恐怖”が宿っています。

呪いは、終わらない──けれど、それを“知る”ことはきっと、あなたをもっとホラー好きにしてくれるはずです。