アマプラで観られる洋画ホラー映画10選｜本当に怖い名作だけ厳選

美しくもグロテスク、静かに狂気を孕んだ恐怖──。

それが、近年の洋画ホラーに漂う“知性と異常性のバランス”です。

カルト宗教に引き込まれていく白昼夢のような恐怖、
語られざる家族の闇に取り憑かれる絶望感、
そして“正体が掴めない何か”がじわじわと精神を侵食していく──。

今回はAmazonプライム・ビデオで配信中の中から、
ホラー映画ファンが唸る「洋画ホラーの傑作」10本を厳選。
どれも“ただ怖い”だけではない、観る者の感情を大きく揺さぶる名作揃いです。

心の奥底に爪痕を残す恐怖、あなたはどこまで耐えられますか？

アマプラで観られる洋画ホラー10選｜本当に怖い名作だけ厳選

タイトル	ジャンル	怖さ
ヘレディタリー／継承	家族・悪魔・心理
ミッドサマー	カルト・昼ホラー
X エックス	スラッシャー・レトロ
Pearl／パール	狂気・サイコ
ザ・メニュー	ブラックユーモア・密室
マリグナント 狂暴な悪夢	サイコ・超常
コンジアム	心霊・POV
シャイニング	狂気・密室
クワイエット・プレイス	クリーチャー・家族
エスター ファースト・キル	擬似家族・スリラー

ヘレディタリー／継承

公開年	制作国	上映時間
2018年	アメリカ	127分

映画紹介：
アリ・アスター監督の長編デビュー作『ヘレディタリー／継承』は、家族の死と狂気を描いた現代ホラーの金字塔。観る者の精神をじわじわ削り取っていくような恐怖が、最初から最後まで途切れることなく続きます。

祖母の死をきっかけに、グラハム家に忍び寄る異様な気配。悲しみに暮れるはずの家族関係がどんどん壊れ、喪失と罪悪感、無力感が観る者に重くのしかかります。恐怖の正体が明かされるまでの過程は、まさに“息が詰まるような悪夢”です。

ジャンプスケアに頼らず、静かな演出でこれほどの不気味さを描けるのかと驚かされる演出力。何気ないカットのすみずみにまで“異常さ”が滲んでいて、細部に目を凝らすほどに恐怖が深まっていきます。

本作が伝えるのは「呪い」よりも「家族の継承」。
血のつながりがもたらす逃れられない宿命を描いたストーリーは、心の奥にまで染み込むようなホラー体験を与えてくれます。

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ミッドサマー

公開年	制作国	上映時間
2019年	アメリカ・スウェーデン	148分

映画紹介：
真昼の光の中で繰り広げられる、悪夢のようなカルトホラー。それがアリ・アスター監督の第2作『ミッドサマー』です。スウェーデンの田舎村で行われる“祝祭”が、次第に狂気と暴力に染まっていく様子は、昼間なのに暗闇より怖い。

愛する家族を失った悲しみに沈む主人公・ダニーは、彼氏とその友人たちと共にスウェーデンの村を訪れます。そこでは90年に一度の特別な夏至祭が開催されており、最初は陽気で牧歌的な雰囲気さえありますが、やがてそれは“儀式”と“選別”の名のもとに狂気を帯びていきます。

ジャンプスケアは一切なし。白昼の中でじわじわ精神を追い詰めてくる演出、奇妙な祝祭の風習、そしてラストに至るまでの構成は完璧。観終わったあと、心にじっとりと残る不快感と陶酔感がたまりません。

「ホラーなのに癒された」という感想さえ出る本作は、トラウマと解放の物語としても極めてユニーク。全編がアートとして設計された傑作です。

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X エックス

公開年	制作国	上映時間
2022年	アメリカ	106分

映画紹介：
1970年代のテキサスを舞台に、“撮影”を目的に集まった若者たちが辿る運命とは？
『X エックス』は、レトロスラッシャーの美学と現代的な解釈を絶妙に融合させた、スプラッター×ドラマの快作です。

ポルノ映画の撮影をしに片田舎の農場を訪れたクルーたち。
しかし、その土地の老夫婦には何かおかしい気配が──。
そこから始まるのは、血と欲望、老いと若さをめぐる“狂気の記録”。観る者の不安と興奮を同時にかき立てます。

グロ描写はあるものの、ただのスプラッターに終わらないのが本作の魅力。テーマ性や映像美、音楽センスが非常に高く、ジャンル映画としての完成度も抜群。特にラストにかけての展開と“ある言葉”の意味にはゾッとさせられます。

ティ・ウェスト監督が描く、“青春の終焉”と“老いの怪物化”というテーマは、ホラーを通して人間の根源的な恐怖を浮き彫りにしています。

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Pearl／パール

公開年	制作国	上映時間
2022年	アメリカ	102分

映画紹介：
『X エックス』の前日譚として制作された『Pearl／パール』は、ひとりの少女の狂気と欲望が爆発する心理スリラー。ただの殺人鬼映画ではありません。これは“夢を見ることが罪になる”恐ろしい世界の物語です。

舞台は1918年のアメリカ南部。戦争と疫病の影が色濃く残る中、夢見がちな農場の少女パールは「スターになりたい」という想いを募らせます。しかし、その純粋な願いが、抑圧された日常と孤独によって捻じ曲がっていく様は、悲しくもおぞましい。

鮮やかな色彩とクラシックな映像美はまるでミュージカル映画のよう。しかしその裏で繰り広げられるのは、笑顔の裏に潜む狂気と暴力。ミア・ゴスの圧巻の演技が、パールというキャラクターの恐ろしさと悲しさを両立させています。

「夢を見たいだけだった」──
そんな想いがいつしか歪み、血と惨劇に染まっていく。ホラーという枠を超えた“サイコ・トラジディ”として、唯一無二の傑作です。

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ザ・メニュー

公開年	制作国	上映時間
2022年	アメリカ	106分

映画紹介：
極上の料理と極限のサスペンス──
『ザ・メニュー』は、孤島の高級レストランで展開される異常なディナーコースを描いたブラックユーモア・ホラー。食の芸術と狂気が同時に皿の上に盛られていく、異色の“食テロ”映画です。

選ばれしセレブたちが招かれた孤島のレストラン。
天才シェフ・スローヴィクの手がけるコース料理は美しく、完璧に見える……が、やがてその料理の裏に込められた皮肉と制裁、そして恐怖が暴かれていきます。

閉鎖空間での心理戦、支配と服従の構図、そして“食”を通じて描かれる格差と暴力。ジャンルとしてはホラーですが、知的で風刺的、サイコスリラーとしても見ごたえ抜群。

最後に提示される“メインディッシュ”とは？
本作は、映画を観ること自体の意味すら問いかけてくる異色の傑作です。

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マリグナント 狂暴な悪夢

公開年	制作国	上映時間
2021年	アメリカ	111分

映画紹介：
『ソウ』『死霊館』のジェームズ・ワン監督が放つ、ホラー×超展開アクションの異端作が『マリグナント 狂暴な悪夢』。
「え、何が起きてるの!?」から始まり、「まさか、そうくる!?」と驚愕のラストへ。予測不可能な恐怖があなたを襲います。

幼少期のトラウマを抱えるマディソンは、ある日、目の前で夫を惨殺される。そこから連続殺人事件が発生し、彼女はその“瞬間”をビジョンで目撃するように──。そして浮かび上がる“ガブリエル”という謎の存在。狂気と暴力に満ちた物語が急加速していきます。

前半はサイコホラー、しかし後半になると突然アクション的な要素も炸裂。ホラーの概念をぶっ壊すような展開に、思わず笑いと戦慄が同時に湧いてきます。グロさや恐怖だけでなく、映画的カタルシスにも満ちた一本です。

“想像の斜め上”を軽く超えてくる快作。ホラーに慣れた人ほど驚く、強烈な一撃が待っています。

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コンジアム

公開年	制作国	上映時間
2018年	韓国	94分

映画紹介：
「世界7大心霊スポット」にも名を連ねた、実在の廃病院“コンジアム精神病院”を舞台にした韓国POVホラー。
『コンジアム』は、心霊×YouTube配信×疑似ドキュメンタリーという現代的な切り口で、じわじわと恐怖を植えつけてくる秀作です。

心霊スポット突入系チャンネルを運営する若者たちが、廃墟となった精神病院でライブ配信を実施。はじめは悪ノリと演出で盛り上がっていたが、次第に説明のつかない現象が映り込み始め──
画面越しに伝わる恐怖が、まさに“今そこにいる感”を高めていきます。

手ブレ映像やGoPro視点、リアルな反応など、POVの臨場感がフル活用されており、心霊描写もやりすぎない絶妙なバランス。
狭く暗い廊下や、音のない時間に訪れる“何か”の気配がとにかく怖い。

『REC』『グレイヴ・エンカウンターズ』などが好きな人に強くおすすめ。韓国ホラーの実力を見せつけた一作として、見逃せない作品です。

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シャイニング

公開年	制作国	上映時間
1980年	アメリカ	144分

映画紹介：
スタンリー・キューブリック監督による不朽の名作『シャイニング』は、ホテルという密室空間で静かに狂っていく人間の恐怖を極限まで描いた、心理ホラーの金字塔。公開から40年以上経った今も、なお“観る者の心を蝕む”力を持っています。

冬のあいだ閉鎖される“オーバールック・ホテル”で管理人として過ごすことになった作家ジャックとその家族。しかし雪に閉ざされたその場所には、過去に起きた惨劇の“痕跡”が確実に残っており──やがてジャックの精神が崩壊していく様子は、圧倒的な演出で描かれます。

赤い三輪車、双子の少女、血のエレベーター、237号室の女……映像ひとつひとつが象徴的かつ強烈で、“ホラー映画史に残る名場面”の連続。音楽とカメラワークの不協和も、終始不安を煽り続けます。

“シャイニング”とは何か？
ラストに写る写真の意味とは？
何度観ても解釈が深まるミステリー性も含め、ホラーを超えた“映画芸術”としての価値を放つ傑作です。

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クワイエット・プレイス

公開年	制作国	上映時間
2018年	アメリカ	90分

映画紹介：
音を立てたら“終わり”──
極限の静寂と緊張を描いた『クワイエット・プレイス』は、音が生む恐怖を最大限に活かしたサバイバルホラー。まるで自分もその世界に放り込まれたかのような臨場感が特徴です。

突如出現した“音に反応する怪物”によって文明が崩壊した世界。生き延びるために一家は物音ひとつ立てずに暮らす。わずかな床の軋みや落とした物音すら、即死に直結する緊張感が全編を包み込みます。

演出も秀逸で、セリフがほぼない中で表現される家族愛と犠牲、そして“生きること”の意味が心に刺さります。ホラーでありながら感動を誘うラストは、多くの観客の涙を誘いました。

第2作も制作されるほどの人気作ですが、まずはこの1作目で“音のない地獄”を全身で体感してみてください。

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エスター ファースト・キル

公開年	制作国	上映時間
2022年	アメリカ	99分

映画紹介：
「あの子、何かがおかしい」──衝撃の正体で話題となった『エスター』の前日譚が、本作『エスター ファースト・キル』。
可憐な少女の皮をかぶった“怪物”が生まれる瞬間を描いた、戦慄のスリラーです。

物語は、精神病院から逃げ出したリーナ（＝エスター）が、行方不明になっていた富裕層の娘になりすまし、ある家庭に入り込むところから始まります。
しかし、その家族にもある“秘密”が──。被害者と思っていた者が、実は…という二重構造が、サスペンスとして極めてスリリングです。

本作のすごさは、少女役を演じたイザベル・ファーマンが、前作から十年以上経っても同役を熱演している点。CGやトリックを駆使した“騙しの演出”がリアルさと恐怖を倍増させています。

前作を観ていなくても楽しめますが、あのラストの恐怖を知っている人ほど、前日譚の異常性にゾッとするはず。エスターというキャラクターの“起源”に迫る、狂気のスリラーです。

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まとめ｜“静かな恐怖”に浸れる洋画ホラー、観るなら今

ド派手な演出やジャンプスケアに頼らず、じわじわと心を侵食してくる洋画ホラーには、他では味わえない“静かな狂気”があります。

音、空気、視線、沈黙── 何気ないシーンのすべてが不安をかき立て、観る者の精神を少しずつ追い詰めていく。その緻密な構成と美学は、まさにホラーの芸術と言っても過言ではありません。

アマプラなら、そんな“ゾクッとくる名作”をいつでも気軽に楽しめます。心を静かに蝕む恐怖を、ぜひこの機会に体感してみてください。

“静かに狂っていく夜”のための、一本がきっと見つかるはずです。