ホラーの本場は、やはり“海外”だ──。
アメリカのスラッシャー、北欧の異教ホラー、フランスのエクストリーム系…。国ごとに文化や価値観が違うからこそ、恐怖の形もまったく異なる。
海外ホラー映画は、血と叫びだけではなく、社会への怒りや、信仰、狂気、家族愛までも恐怖の中に溶け込ませる。だからこそ、観る者の心を深くえぐるのです。
今回はそんな「海外ホラー映画」の中から、世界を震撼させた名作20本を厳選。
古典から現代の傑作まで、文化と時代を超えて“恐怖”を刻んだ作品たちを紹介します。
――恐怖には、国境なんてない。
・ハリウッドだけでなく、世界中のホラー映画を知りたい人
・心理的・宗教的な恐怖など、“海外らしい怖さ”を味わいたい人
・『エクソシスト』『ミッドサマー』などの名作をきっかけに、ホラーをもっと深掘りしたい人
世界が震えた恐怖の名作|海外ホラー映画おすすめ20選

| タイトル | ジャンル | 怖さ |
|---|---|---|
| エクソシスト | 宗教・悪魔 | |
| シャイニング | 心理・狂気 | |
| エイリアン | SF・クリーチャー | |
| ナイト・オブ・ザ・リビングデッド | ゾンビ・サバイバル | |
| 悪魔のいけにえ | スラッシャー・拷問 | |
| スクリーム | メタ・青春スラッシャー | |
| ミッドサマー | カルト・心理 | |
| ゲット・アウト | 社会派・サスペンス | |
| ヘレディタリー/継承 | 家族・オカルト | |
| イット/“それ”が見えたら、終わり。 | 怪物・青春 | |
| サイコ | サスペンス・スラッシャー | |
| ブレア・ウィッチ・プロジェクト | モキュメンタリー | |
| インシディアス | 心霊・悪夢 | |
| ソウ | スリラー・拷問 | |
| 28日後… | 感染・パニック | |
| レック/REC | 感染・密室 | |
| パンズ・ラビリンス | ダークファンタジー | |
| ババドック 暗闇の魔物 | 心理・母子 | |
| グッドナイト・マミー | サイコ・家庭 | |
| RAW~少女のめざめ~ | 成長・カニバリズム |
エクソシスト
| 公開年 | 制作国 | 上映時間 |
|---|---|---|
| 1973年 | アメリカ | 122分 |
映画紹介:
“悪魔が実在するなら、信仰とは何か”。『エクソシスト』はその問いを全人類に突きつけた、宗教ホラーの金字塔。ウィリアム・フリードキン監督がリアルさを極限まで追求し、1973年の公開当時にはショックで気を失う観客が続出したという伝説的作品です。
平凡な少女リーガンが悪魔に取り憑かれたことから始まる物語。聖職者と母親が繰り広げる祈りと絶望の戦いは、単なるエクソシズム(悪魔祓い)を超え、人間の信念と恐怖の本質に迫ります。嘔吐、浮遊、首の回転──その描写はあまりに生々しく、50年経った今でも“禁断のホラー”と呼ばれるほど。
驚異的なのは演出の緊張感。実在の事件を思わせるリアリティが、宗教的儀式を静謐で荘厳な恐怖体験へと昇華しています。悪魔の声と少女の表情のギャップは、人間の中に潜む闇そのもの。
「祈りは本当に救いになるのか?」──そんな問いを残してくる本作は、ただ怖いだけでなく、“信じること”の意味をも問う永遠の傑作です。
- 怖さ:
- グロ度:
- ジャンル:宗教・悪魔ホラー
- 一言ポイント:「信仰と悪魔、魂のせめぎ合いを描いた“真の恐怖映画”」

何度観ても背筋が凍る。古い映画なのに、今のCGよりずっと怖い。

母親の祈りのシーンで泣いてしまった。信仰の力って本当にすごい。

宗教とか関係なく、人間の「信じたい心」が描かれてるのがすごい。
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エクソシスト ディレクターズカット版 [DVD]



シャイニング
| 公開年 | 制作国 | 上映時間 |
|---|---|---|
| 1980年 | アメリカ | 146分 |
映画紹介:
閉ざされたホテル、雪に閉じ込められた家族、そして狂気に堕ちていく父親──。『シャイニング』は、ホラーの枠を超えた心理的恐怖と映像美の頂点です。スタンリー・キューブリック監督による緻密な構図と冷徹なカメラワークが、観る者の神経を静かにすり減らしていきます。
物語は、冬季閉鎖中のホテル「オーバールック」で管理人として働く一家が、雪に閉ざされた孤立状態に陥るところから始まります。徐々に父・ジャックの精神は崩壊し、家族を襲う“狂気の恐怖”へと変貌していく──。その過程のリアリティと緊張感は、まるで自分も閉じ込められているかのようです。
名シーン「Here’s Johnny!」はもちろん、双子の少女や血のエレベーターなど、映像そのものがトラウマとして残る。サウンド、照明、カメラワークすべてが狂気を描くために計算し尽くされています。
単なる幽霊話ではなく、孤独とプレッシャーに飲み込まれていく人間の恐ろしさを描いた心理ホラーの最高峰。「人間こそが一番怖い」という事実を突きつけてきます。
- 怖さ:
- グロ度:
- ジャンル:心理・狂気ホラー
- 一言ポイント:「雪に閉ざされたホテルで、人間の狂気が目を覚ます」

怖いというより不気味。何度観ても理解できない深さがある。

廊下の双子、血のエレベーター…映像が頭から離れない。永遠の悪夢。

ジャック・ニコルソンの演技が圧巻すぎる!狂気の美学ってこういうこと。
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シャイニング 特別版 コンチネンタル・バージョン [DVD]



エイリアン
| 公開年 | 制作国 | 上映時間 |
|---|---|---|
| 1979年 | アメリカ/イギリス | 117分 |
映画紹介:
「宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない。」──このキャッチコピーがすべてを物語る。リドリー・スコット監督の『エイリアン』は、SFとホラーを融合させた革新的作品であり、今なお“完璧な宇宙ホラー”として語り継がれています。
宇宙船ノストロモ号の乗組員たちが未知の生物を発見し、それが乗組員の体内に侵入するところから始まる悪夢。やがて孵化した“エイリアン”が船内を徘徊し、ひとり、またひとりと犠牲になっていく。逃げ場のない密室と、見えない恐怖の演出が極限の緊張感を生み出します。
H・R・ギーガーがデザインしたエイリアンの造形は、生理的嫌悪と芸術性が融合した究極のモンスター。そのビジュアルだけで観客の脳裏に焼き付きます。さらに、主人公リプリー(シガニー・ウィーバー)の強さと孤独が、単なる怪物映画を“人間ドラマ”へと昇華させています。
静寂と緊張、恐怖と孤独──そのすべてが完璧に調和した傑作。『エイリアン』はホラーの文法を宇宙空間に持ち込み、映画史を変えた存在です。
- 怖さ:
- グロ度:
- ジャンル:SF・クリーチャーホラー
- 一言ポイント:「逃げ場のない宇宙で、人類は最恐の“異形”と出会う」

狭い宇宙船の中で、いつ現れるかわからない恐怖…息が詰まる!

エイリアンの造形が完璧すぎてトラウマ。ギーガー天才すぎる。

リプリーの勇気と孤独が心に刺さる。恐怖の中に人間の強さを感じた。
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エイリアン [DVD]



ナイト・オブ・ザ・リビングデッド
| 公開年 | 制作国 | 上映時間 |
|---|---|---|
| 1968年 | アメリカ | 96分 |
映画紹介:
“ゾンビ映画”というジャンルを生み出した原点にして頂点。それがジョージ・A・ロメロ監督の『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』です。1968年、たった11万ドルという低予算で制作された本作は、社会的メッセージと極限の恐怖を融合させた革命的ホラーとして、今なお語り継がれています。
物語は突然の死者の復活から始まります。人間を襲う“彼ら”から逃れるため、見知らぬ人々が一軒の農家に立てこもる。しかし、外だけでなく、内側にも崩壊の種がある──。生き残りをかけた緊迫のドラマが展開します。
白黒映像が生み出す不穏なリアリティ、そして登場人物たちの絶望。ゾンビの恐怖よりも、むしろ人間同士の対立こそが真の恐怖であることを突きつけます。ラストの衝撃展開は、今観ても胸をえぐられるほどの皮肉と痛烈さ。
ゾンビ映画はここから始まった。『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』は、ただのホラーではなく、“人間社会の鏡”として輝き続ける不朽の名作です。
- 怖さ:
- グロ度:
- ジャンル:ゾンビ・サバイバル
- 一言ポイント:「“ゾンビ”という概念を世界に植え付けた社会派ホラーの原点」

古いけど、やっぱり怖い。白黒だからこそリアルに感じる不気味さ。

人間の醜さを描いた結末にゾッとした…。ゾンビより人間が怖い。

ここからすべてが始まったと思うと感慨深い。ロメロ監督は本当に偉大。
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ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド スペシャル・エディション [DVD]



悪魔のいけにえ
| 公開年 | 制作国 | 上映時間 |
|---|---|---|
| 1974年 | アメリカ | 83分 |
映画紹介:
トビー・フーパー監督が低予算で叩き出した、スラッシャーの原点にして極北。『悪魔のいけにえ』は、血まみれのスペクタクルではなく、ざらついた画質・耳を裂く轟音・汗の匂いで観客の神経をすり減らす“体感型ホラー”です。モチーフは実際の猟奇事件から緩やかに着想を得つつ(直接の再現ではない)、テキサスの灼熱と閉塞を悪夢に変換しています。
田舎道をドライブしていた若者たちが迷い込むのは、家族ぐるみで狂気に染まった一軒家。チェーンソーを振り回す大男“レザーフェイス”だけでなく、食卓を囲む一同の不気味さが、世界の秩序が壊れたことを告げます。説明は最小限、ひたすら感覚に訴える演出が、観客を逃げ場のない恐怖へ追い込みます。
終盤の“ディナー・シーン”は映画史に刻まれた悪夢。笑い声、悲鳴、カメラの寄せ、そしてチェーンソーの金属音──暴力を直接見せずに暴力以上の痛みを想像させる編集と音が圧倒的です。ラストの朝焼けで舞うレザーフェイスは、荒廃したアメリカの不気味な舞踏そのもの。
以後のスラッシャーの文法(“若者グループ”と“生き残る少女”)を確立した、必修の1本。ホラーが身体に刻まれるとは、この映画のことです。
- 怖さ:
- グロ度:
- ジャンル:スラッシャー・拷問
- 一言ポイント:「見せすぎないのに痛い。音と編集で神経を切り刻む原点」

流血は少ないのに、観てるだけで汗が出る。音が怖すぎて震えた。

最後の舞いが忘れられない…あの朝日が悪夢の延長に見えるの凄い。

“見せない恐怖”の教科書。スラッシャーの基準がここで決まった。
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悪魔のいけにえ 特別価格版 [DVD]



スクリーム
| 公開年 | 制作国 | 上映時間 |
|---|---|---|
| 1996年 | アメリカ | 111分 |
映画紹介:
ホラー映画の“お約束”を知り尽くした若者たちが、まさにその約束に殺されていく──。ウェス・クレイヴン監督『スクリーム』は、ジェンルの文法をメタに語りながらも、純度の高いスラッシャーの緊張感で突き進む革新的傑作です。脚本はケヴィン・ウィリアムソン。電話、仮面、ルール…すべてが90年代ホラーのアイコンになりました。
舞台は郊外の町ウッズボロー。高校生たちの周囲で連続殺人が発生し、犯人は“ゴーストフェイス”と呼ばれる仮面の殺人鬼。犠牲者たちはホラー映画の定石(「処女は死なない」「一人にならない」「“すぐ戻る”はフラグ」など)を口にしつつ、そのルールを破った瞬間に襲われるという皮肉が痛烈です。
メタ構造でありながら、追跡とサスペンスの演出は直球。冒頭の電話シークエンスは名場面中の名場面で、観客は“知っているのに逃れられない”恐怖へ引きずり込まれます。さらに、主人公シドニーの強さと脆さが、シリーズを通して“最も応援したくなるファイナルガール像”を更新しました。
ホラー愛と批評性、そしてエンタメの三点盛り。『スクリーム』はジャンルを自虐しつつ再起動させた、90年代ホラーの決定打です。
- 怖さ:
- グロ度:
- ジャンル:メタ・青春スラッシャー
- 一言ポイント:「“ホラーのルール”を知る者から死んでいく。メタなのに直球で怖い」

メタ要素が軽快で面白いのに、ちゃんと怖い!90年代の空気感も最高。

冒頭の電話シーンは何度見ても緊張で手に汗。名オープニングの教科書。

笑える小ネタも多いのに、最後はしっかり容赦ない。バランスが神。
| 配信サービス | 配信状況 | 配信先 |
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スクリーム [DVD]



ミッドサマー
| 公開年 | 制作国 | 上映時間 |
|---|---|---|
| 2019年 | アメリカ/スウェーデン | 147分 |
映画紹介:
白夜の村祭り、陽光、花冠──明るさの中で恐怖が発芽する。アリ・アスター監督『ミッドサマー』は、カルト宗教と共依存を題材に、「光で焼く」タイプの心理ホラーを確立した問題作です。徹底して日中に進む儀式は、暗闇やジャンプスケアに頼らず、価値観そのものを侵食してきます。
家族を喪ったダニーは、恋人や友人たちとスウェーデンの奥地へ。外から来た若者たちは村の“伝統”に興味本位で触れ、やがて境界線の感覚を失っていく。緻密な美術とシンメトリーな画面、民俗音楽の高揚が、幸福と悪夢の境目を溶かします。
本作の恐怖は暴力そのものではなく、共同体が正気の顔で狂気を肯定するという倫理の転倒。ダニーの心が“どこに居場所を見つけるか”という物語が、祝祭の歓喜と悲嘆を同時に鳴らし、観客の判断力をゆっくり奪っていきます。
美しさと戦慄が同居する昼の悪夢。見終えたあと、自分の価値観が少しズレて戻らない──そんな後味の鋭利さが長く刺さる一本です。
- 怖さ:
- グロ度:
- ジャンル:カルト・心理ホラー
- 一言ポイント:「闇ではなく“眩しさ”で追い詰める、祝祭の心理ホラー」

昼間なのにずっと怖い。祝祭の美しさが逆に不安を増幅させる…。

“伝統だから”という言葉の強さが怖い。倫理が音もなく反転していく。

最後の彼女の表情が忘れられない。恐ろしくも解放的で、胸がざわつく。
| 配信サービス | 配信状況 | 配信先 |
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ミッドサマー [DVD]



ゲット・アウト
| 公開年 | 制作国 | 上映時間 |
|---|---|---|
| 2017年 | アメリカ | 104分 |
映画紹介:
静かな違和感が、気づけば全身を締め上げる。ジョーダン・ピール監督『ゲット・アウト』は、差別と“リベラルな善意”をスリラーの文法に落とし込み、社会派とエンタメを完璧に融合させた現代ホラーの金字塔です。週末の“挨拶”に訪れた彼女の実家は、笑顔の奥にぞっとする視線を隠している。
黒人青年クリスが白人の名家に招かれ、やがて周囲の振る舞いに“異常な礼儀正しさ”を感じ始める。褒め言葉のはずの言葉が針のように痛いのは、身体と文化を奪うまなざしが潜んでいるから。紅茶のスプーンがカップを鳴らすだけで、観客の鼓動までコントロールされる“催眠”の演出は恐怖そのものです。
ミステリーとしての伏線回収も鮮やか。電話、写真、地下室のディテールが一本線に繋がったとき、物語は怒りと解放のクライマックスへ加速します。ラストのパトカーの赤色灯が意味するものまで、巧みな時代感覚で観客を試す一本。
笑いと皮肉、痛烈な社会批評、そして手に汗握る逃走劇。『ゲット・アウト』は、「見る/見られる」というホラーの根源をアップデートした必修作です。
- 怖さ:
- グロ度:
- ジャンル:社会派・サスペンス
- 一言ポイント:「“善意”の顔で近づく支配。音と視線で追い詰める現代ホラー」

怖いだけじゃなくて刺さる。終盤の赤色灯で一瞬心臓止まった…!

スプーンとカップの音で落ちていく演出、あれは完全にトラウマ級。

伏線が綺麗に回収されてスカッとするのに、後味はずっと考えさせられる。
| 配信サービス | 配信状況 | 配信先 |
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ゲット・アウト [DVD]



ヘレディタリー/継承
| 公開年 | 制作国 | 上映時間 |
|---|---|---|
| 2018年 | アメリカ | 127分 |
映画紹介:
家族の死、その後に訪れる説明不能の崩壊。アリ・アスターの長編デビュー作『ヘレディタリー/継承』は、喪失と罪悪感が“呪い”へ形を変える過程を、容赦ない演出で見せ切る現代ホラーの代表作です。模型の家を覗き込むような構図は、登場人物が見えない手で配置される駒であることを暗示します。
葬儀のあと、母アニーの一家に起こり始める些細な異変。音、影、視線──どれも大きな出来事ではないのに、家庭の会話や食卓が最前線に変わっていく。やがて訪れる一撃の惨事は、観客の呼吸を奪い、そこから先は後戻りのできない悪夢の降下です。
演技も桁違い。トニ・コレットの慟哭、アレックス・ウルフの強迫的な罪悪感、ミリー・シャピロの存在感……すべてが胸に刺さる。オカルト要素は最終盤で姿を見せますが、真に怖いのは家族という密室で増幅する感情の暴走です。
静かな不穏→現実の崩壊→儀式の開示へと滑る三段階の地獄。“見えてしまった後”の世界が続くラストの冷たさまで含め、10年代ホラーの到達点と呼ぶにふさわしい一本です。
- 怖さ:
- グロ度:
- ジャンル:家族・オカルト
- 一言ポイント:「喪失の痛みが呪いへ転化する、模型の家のように精密な悪夢」

日常会話が一番怖い。食卓の空気で心拍数が上がる映画は珍しい。

“あの瞬間”から世界が変わった。受け止めきれず、しばらく呆然…。

終盤の開示は震えた。最初から配置されていたことに気づいて鳥肌。
| 配信サービス | 配信状況 | 配信先 |
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ヘレディタリー 継承 [DVD]



イット/“それ”が見えたら、終わり。
| 公開年 | 制作国 | 上映時間 |
|---|---|---|
| 2017年 | アメリカ | 135分 |
映画紹介:
ビルの弟が雨の中で消えた日から、デリーの街には“説明できない恐怖”が漂い始める。『イット』は、少年少女の成長物語と怪物ホラーを融合させ、トラウマと向き合う勇気を血走った目で見つめる一大エンタメ。赤い風船、下水道、スライド・プロジェクター──ビジュアルの強度が観客の記憶に焼き付きます。
現れるのはピエロだけではない。“それ”は各人の恐怖のかたちで姿を変え、心の傷をえぐり出す。弱さを共有した落ちこぼれの仲間“ルーザーズ・クラブ”が、互いの恐れを言葉にし、連帯を武器に立ち向かう構図は王道でありながら胸が熱い。
恐怖演出は直球と緩急の配合が巧み。家庭や学校の日常に不意に割り込む異常、そして一気に膨張するクライマックス──ジャンプスケアの快感と、少年期の息苦しさが同じ呼吸で畳みかけます。音響と編集が緊張を持続させ、終盤の地下での総力戦へときれいに収束。
“怖い”の先にある感情をちゃんと掬い上げる、良質な怪物映画。恐怖とは、分かち合えば武器になる──そう思わせてくれる一本です。
- 怖さ:
- グロ度:
- ジャンル:怪物・青春
- 一言ポイント:「赤い風船が合図。恐怖を共有して、仲間と“それ”に挑む」

プロジェクターのシーンは毎回ビクッとなる…分かってても逃れられない!

“ルーザーズ”の友情が熱い。怖さのあとに、妙な清々しさが残る。

怪物映画としての満足度が高い!続編に向けた余韻もニクい。
| 配信サービス | 配信状況 | 配信先 |
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IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。 [DVD]



サイコ
| 公開年 | 制作国 | 上映時間 |
|---|---|---|
| 1960年 | アメリカ | 109分 |
映画紹介:
アルフレッド・ヒッチコックがサスペンスの文法を書き換えた『サイコ』。モーテルという日常の延長にある空間で、「誰が主人公で、何を恐れるべきか」という観客の油断を徹底的に裏切る構成が冴えわたる。あの“シャワー・シーン”は、暴力を見せすぎずに恐怖を最大化する編集と音響の金字塔です。
物語は横領金を抱えた女性が道中で立ち寄るベイツ・モーテルから急降下。礼儀正しい青年ノーマンと“母”の影が、会話劇の緊張だけで観客の想像力を締め上げる。ハーマンのストリングスが刻む断奏は、映像と同等の暴力性を帯び、以後のスラッシャー表現に決定的な影響を与えました。
終盤の真相開示は、単なる種明かしではなく、アイデンティティの崩壊を突き付ける冷たい鏡。犯罪スリラーでありながら、人間の孤独と歪んだ愛情が作り上げる“二重の檻”を描くことで、時代を超えて不気味に息づき続けます。
サスペンスの精密機械。余白と想像を使って神経を削る、『サイコ』は今なお“見せない恐怖”の教科書です。
- 怖さ:
- グロ度:
- ジャンル:サスペンス・スラッシャー
- 一言ポイント:「音と編集で刺す。ヒッチコックが創った“見えないナイフ”」

シャワーの弦の音だけで手が固まる。想像のほうが何倍も怖い…。

“あの振り向き”の一瞬で心拍が跳ね上がった。編集が残酷すぎる。

サスペンスなのにスラッシャーの源流でもあるの、やっぱり偉大すぎ。
| 配信サービス | 配信状況 | 配信先 |
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サイコ [DVD]



ブレア・ウィッチ・プロジェクト
| 公開年 | 制作国 | 上映時間 |
|---|---|---|
| 1999年 | アメリカ | 81分 |
映画紹介:
これは“見つかった映像”なのか、それとも作り物なのか──。『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』は、手持ちカメラと即興芝居を軸にしたモキュメンタリー・ホラーの決定打。森で迷う三人の映画学生が撮ったとされるテープだけで不安を積み上げ、観客に「見えないものを想像させる」恐怖を突き付けます。
物語はシンプル。地元に伝わる魔女伝説を取材するためブラック・ヒルズの森へ入った彼らが、やがて方角と時間の感覚を失っていく。奇妙な石積み、枝の束、夜の子供の笑い声──“証拠”になりきらない断片だけが残り、理屈が通じない不安が増殖します。
編集と音の作法が革新的。ピントが合わない、暗くて見えない、音だけが遠くから聞こえる──その“欠落”がリアリティとなり、観客自身の恐怖記憶で空白を埋めさせる仕組みになっています。宣伝のバイラル戦略も含め、後続のPOVホラーに与えた影響は計り知れません。
血も怪物もほとんど出ないのに、終盤の壁際の“後ろ姿”で喉が凍る。「何も見せずに、すべてを見せる」というホラーの逆説を体現した里程標です。
- 怖さ:
- グロ度:
- ジャンル:モキュメンタリー/POV
- 一言ポイント:「“見えない”から怖い。空白で神経を削る、POVホラーの金字塔」

たいしたことが起きてないのに常に不安。夜のテントの音だけで限界…。

最後の“壁際”で心臓が止まった。説明がないから余計に怖い。

POVの元祖というだけじゃない。欠落を使った演出の教科書だと思う。
| 配信サービス | 配信状況 | 配信先 |
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ブレア・ウィッチ・プロジェクト HDニューマスター版 + ブレアウィッチ2 刻印バージョン + ブレア・ウィッチ [レンタル落ち] 全3巻セット [マーケットプレイスDVDセット商品]



インシディアス
| 公開年 | 制作国 | 上映時間 |
|---|---|---|
| 2010年 | アメリカ | 103分 |
映画紹介:
“家が呪われているのではない。狙われているのは――人間だ。” ジェームズ・ワン監督×リー・ワネル脚本の『インシディアス』は、Jホラー以降の静的恐怖をハリウッドに再接続しつつ、体感的な音響と“間”で一気に追い詰める心霊ホラー。幽体離脱で迷い込む異界「Further(更なる向こう側)」という設定が、古典怪談を現代的スリラーへ拡張します。
新居に越した一家を襲う怪異。昏睡状態に陥った息子ダルトンは、肉体から離れた魂が“向こう側”をさまよい、悪意ある存在に体を奪われかけている――という核心が明かされると、物語は心霊探査から“救出作戦”へ加速。巧妙な導入からのジャンプスケアは、音・画のタイミングがとにかく正確で、何度観ても反射的に体が跳ねます。
赤顔の悪魔や黒衣の女など、ビジュアルの記憶性も抜群。しかし本当に怖いのは、家族の無力感がじわじわ募っていくプロセスです。ウォン監督の流れるようなカメラと、チリチリと耳を刺すストリングスが、見えない“来訪者”の気配を増幅。ライトを落とした室内が、別世界に変わる瞬間の寒気は一級品です。
低予算ながらアイデアと演出で緊張を極限まで高めた快作。“向こう側”がこちらへ滲み出してくるラストの不穏さまで含め、現代心霊ホラーの基準を更新した一本です。
- 怖さ:
- グロ度:
- ジャンル:心霊・悪夢・異界ホラー
- 一言ポイント:「音と“間”で跳ねさせる。〈向こう側〉に踏み込む救出劇」

赤顔がチラ見えするだけで全身が硬直…音の入り方が反則レベルに怖い。

家族を“連れ戻しに行く”展開に胸が熱い。終盤の余韻は冷たく刺さるけど。

POVでもないのに体感が近い。暗所の怖さをここまで増幅できるのすごい。
| 配信サービス | 配信状況 | 配信先 |
|---|---|---|
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インシディアス [DVD]



ソウ
| 公開年 | 制作国 | 上映時間 |
|---|---|---|
| 2004年 | アメリカ | 103分 |
映画紹介:
「生き残りたければ、ゲームをしよう。」──そう告げる声とともに、密室の悪夢が始まる。ジェームズ・ワン監督の出世作『ソウ』は、2000年代スリラーの象徴にして、“拷問ホラー”を知的に昇華した衝撃作。暴力を見せつけるのではなく、倫理と生への渇望を試す物語として観客を極限の心理へ追い詰めます。
バスルームに閉じ込められた二人の男。足枷、血の鍵、謎の死体──序盤は情報を絞りながら、観客も“ゲームの参加者”にする構成。フラッシュバックで挟まれる他の被害者の試練も、想像の余白が怖さを倍増させます。全編が低予算とは思えぬ緻密な脚本構造で構成され、終盤にすべてのピースがはまる瞬間の“あの一言”は映画史屈指の衝撃。
血よりも恐ろしいのは、「生きる意味を失った者への罰」というジグソウの理念。彼の“正義”にうっすら共感してしまう不気味さが、本作を単なるスプラッターに終わらせません。知的で皮肉な恐怖が、観る者の道徳観を試します。
衝撃のラストシーンは、今なおホラー史上屈指の“心臓停止エンディング”。『ソウ』は痛みよりも倫理を切り裂く、究極のゲーム・スリラーです。
- 怖さ:
- グロ度:
- ジャンル:スリラー・拷問ホラー
- 一言ポイント:「痛みの向こうに“生”を問う。衝撃ラストが伝説になった密室スリラー」

あのラストは何度見てもゾッとする。息をするのも忘れた衝撃だった。

血の量より心理戦。観客を“試す側”に回す構成が天才的すぎる。

怖いのに頭が冴える。ゲームのルールが皮肉で美しいまである。
| 配信サービス | 配信状況 | 配信先 |
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ソウ [DVD]



28日後…
| 公開年 | 制作国 | 上映時間 |
|---|---|---|
| 2002年 | イギリス | 113分 |
映画紹介:
「ゾンビ映画」というジャンルを21世紀仕様に再構築したのが、ダニー・ボイル監督の『28日後…』。感染者は死者ではなく、“怒り”というウイルスに支配された生者。そのスピードと凶暴性が、従来のゾンビ像を完全に塗り替えました。街が消えたロンドンの朝を映すオープニングは、映画史に残る“静寂の恐怖”です。
ウイルスの拡散から28日後、昏睡から目覚めた青年ジムは、人気のないロンドンを彷徨う。生存者を見つけても安堵はない。文明の崩壊後、人間同士の倫理が崩れていく過程を描き、本当の敵は感染者か、人間かという問いを突きつけます。リアルなハンディカム映像が、ドキュメンタリーのような臨場感を生み出しています。
無政府状態のイギリスに希望を求めるロードムービー的展開の中で、強烈に印象に残るのは“光”。朝焼け、炎、緑──終末の中でも世界は美しい。音楽も感情を揺さぶり、特に「In the House, In a Heartbeat」は後の映画やゲームに多大な影響を与えました。
絶望と希望のあわいを疾走する、新時代のサバイバル・ホラー。後続の『ウォーキング・デッド』や『ワールド・ウォーZ』にも繋がる、感染ホラーの進化点です。
- 怖さ:
- グロ度:
- ジャンル:感染・パニック・サバイバル
- 一言ポイント:「“怒り”が伝染する。静寂と狂気が交錯する終末サスペンス」

オープニングの無人ロンドンで一気に掴まれた。静けさが逆に怖い!

感染者のスピードが異常。ゾンビより生々しい恐怖だった。

人間ドラマとしても完成度が高い。希望と狂気の境界が見える傑作。
| 配信サービス | 配信状況 | 配信先 |
|---|---|---|
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28日後… 特別編 [DVD]



レック/REC
| 公開年 | 制作国 | 上映時間 |
|---|---|---|
| 2007年 | スペイン | 78分 |
映画紹介:
“この映像は、本物かもしれない。”──『レック/REC』は、スペイン発のモキュメンタリーホラーであり、リアルタイムの絶望を体験させる傑作。TVクルーが消防隊の密着取材をしていたはずが、立ち入り禁止のアパートで突如始まる感染パニックへと転がり込んでいく。
狭い廊下、荒い映像、叫び声、そして閉じられた出口。誰が感染者で、何が原因なのかも分からないまま、カメラだけが“唯一の目”として動き続ける。POV(主観映像)の没入感が極限まで研ぎ澄まされ、観客はもはや傍観者ではいられません。
後半ではホラーの方向性が一変。単なる感染ではなく、“何か宗教的な存在”の影が明らかになり、科学と信仰の境界が崩壊します。ラストの暗視カメラのシークエンスは、ジャンル史に残る衝撃。闇の奥に立つ“あの姿”を忘れられる人はいないでしょう。
スピード感、臨場感、演出の巧さ、どれを取っても完璧。『REC』は、恐怖を「撮る」こと自体がホラーになるというアイデアを完成させた歴史的作品です。
- 怖さ:
- グロ度:
- ジャンル:感染・密室・モキュメンタリー
- 一言ポイント:「リアルタイムの地獄。カメラが止まらない限り、恐怖は終わらない」

POVの臨場感がヤバい。自分が閉じ込められてる感覚で息が詰まる。

最後の暗視カメラのシーン、あれは忘れたくても忘れられない。

ホラーとしても傑作だけど、映像演出としても完璧。ラスト5分が伝説。
| 配信サービス | 配信状況 | 配信先 |
|---|---|---|
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REC/レック スペシャル・エディション [DVD]



パンズ・ラビリンス
| 公開年 | 制作国 | 上映時間 |
|---|---|---|
| 2006年 | メキシコ/スペイン | 118分 |
映画紹介:
ギレルモ・デル・トロ監督が生み出した『パンズ・ラビリンス』は、戦争と少女の幻想が交錯する“美しい悪夢”。ホラーでもあり、ファンタジーでもあり、そして現実よりも残酷な現実を描いた寓話です。スペイン内戦後の混乱期を舞台に、幼い少女オフェリアが迷い込む地下迷宮で、観客は「恐怖」と「祈り」の境界を彷徨います。
継父は残忍な将校。母は病に伏し、少女は現実の世界で居場所を失っている。そんな彼女の前に現れるのが、妖精とパン(牧神)の導き。そこで語られる試練は、子供向けの冒険譚ではなく、純真さを試す地獄の儀式。現実と幻想が溶け合い、どちらが本当の地獄なのか分からなくなっていく。
造形美はデル・トロ監督の真骨頂。手のひらに眼を持つ“ペイルマン”の不気味な姿は、映画史に残る怪物デザインとして語り継がれています。画面の隅々まで緻密に設計された美術と照明が、恐怖と哀しみを同時に描き出す。
ラストに訪れるのは、残酷でありながらも救いの光を感じさせる瞬間。「幻想は、逃避ではなく抵抗」──そう言わんばかりの物語構造が、観る者の心に深く刻まれる一作です。
- 怖さ:
- グロ度:
- ジャンル:ダークファンタジー・戦争ホラー
- 一言ポイント:「幻想と現実の狭間で少女が抗う。美しすぎる悪夢の寓話」

怖いのに泣けた。あの少女の選択は、痛みと強さが同居している。

ペイルマンのシーンは一生忘れられない…。あの静けさが逆に怖い。

デル・トロ監督の“恐怖と慈悲”が全部詰まってる。芸術としてのホラー。
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|---|---|---|
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パンズ・ラビリンス 通常版 [DVD]



ババドック 暗闇の魔物
| 公開年 | 制作国 | 上映時間 |
|---|---|---|
| 2014年 | オーストラリア | 94分 |
映画紹介:
愛する人を失った悲しみが、やがて“形”を持ち始める──。『ババドック 暗闇の魔物』は、喪失と育児ストレスを題材にした心理ホラーであり、“心の闇をどう受け入れるか”という普遍的なテーマを怪物譚として描いた傑作です。監督は女性クリエイター、ジェニファー・ケント。
夫を事故で亡くし、幼い息子を育てるアメリア。ある日、彼女の家に「ミスター・ババドック」という絵本が届く。読み進めるうちに、現実が本の内容とシンクロし始め、黒い影が日常を蝕んでいく──。姿を見せすぎず、音と影、そして母子の視線のズレで恐怖を構築する手腕が見事です。
しかしこの映画の真髄は、“恐怖”ではなく“赦し”。ババドックは単なる怪物ではなく、アメリアの心の痛みそのものとして描かれます。母の孤独と怒り、そして息子への愛がせめぎ合うクライマックスは、ホラーの枠を超えた感情のカタルシスです。
最後に訪れるのは、恐怖の終焉ではなく共存。「ババドックは消せない。けれど飼い慣らすことはできる」──そんなメッセージが静かに心に残ります。
- 怖さ:
- グロ度:
- ジャンル:心理・母子ホラー
- 一言ポイント:「恐怖は心の中にいる──母と子が向き合う“喪失の怪物譚”」

怖いよりも苦しい。母親の心が壊れていく描写がリアルすぎてつらい。

ラストで泣いた。恐怖を“受け入れる”という解釈が美しかった。

ホラーなのに優しさがある。母親の愛の描き方が深い。
| 配信サービス | 配信状況 | 配信先 |
|---|---|---|
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ババドック 暗闇の魔物 [DVD]



グッドナイト・マミー
| 公開年 | 制作国 | 上映時間 |
|---|---|---|
| 2014年 | オーストリア | 100分 |
映画紹介:
双子の兄弟と、整形手術後に顔を包帯で覆った母親。田舎のモダンハウスに流れるのは、静寂と不信。『グッドナイト・マミー』は、オーストリア発のサイコホラーであり、“母と子の愛がどこまで歪むか”を冷徹に見つめる作品です。極限まで抑えた演出が、不穏な現実をじわじわと露わにしていきます。
手術後に帰ってきた母は、以前とは何かが違う。双子の兄弟は「この人はママじゃない」と疑い始め、家の中で緊張が高まっていく。沈黙と空間の使い方が圧倒的で、何も起こっていない時間がこんなにも怖い映画は珍しい。
そして、物語が後半へと進むにつれて、愛と狂気の境界が崩れ始める。包帯をはがす手、燃える家、母の叫び──すべてが“現実”であり“幻覚”でもある。その曖昧さが観る者の神経を焼き尽くします。
ショッキングな展開を備えながらも、決して見せすぎない。冷たい映像と音が突き刺さる、静謐で残酷なオーストリアン・ホラーの傑作です。
- 怖さ:
- グロ度:
- ジャンル:サイコ・家庭ホラー
- 一言ポイント:「“母”という存在を疑う瞬間、家が地獄に変わる」

静かすぎて怖い。何も起きないのに胃がキリキリしてくるタイプの恐怖。

途中から「そういうことか…」と気づいても止まらない。痛いのに美しい。

映像が冷たくて芸術的。ラストの余韻が心に残って離れない。
| 配信サービス | 配信状況 | 配信先 |
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グッドナイト・マミー [DVD]



RAW~少女のめざめ~
| 公開年 | 制作国 | 上映時間 |
|---|---|---|
| 2016年 | フランス/ベルギー | 99分 |
映画紹介:
「本能」は美しくも恐ろしい──。ジュリア・デュクルノー監督の『RAW~少女のめざめ~』は、思春期の少女が内なる衝動に目覚めていく姿を、食欲と欲望のメタファーとして描いた異色のボディホラーです。カンヌを震撼させた問題作として知られ、芸術とグロテスクの狭間を突き進む一作となりました。
獣医学を学ぶため大学に入学した菜食主義の少女ジュスティーヌ。厳しい入学儀式の中で肉を口にした瞬間、彼女の中で何かが覚醒します。やがて“血”への渇望が止められなくなり、姉との関係や人間としての境界が次第に崩れていく──。
美しい映像と静謐な音楽が、暴力的な描写と共存するアンビバレントな世界観。血や肉を通して描かれるのは、身体が変化していく恐怖とアイデンティティの混乱です。彼女の中に芽生えるのは「捕食者としての自己」なのか、それとも「人間らしさの証」なのか。
グロさの向こうに哲学がある。『RAW』は、生理的な嫌悪と精神的な共感がせめぎ合う、“女性の成長”を血で描くアートホラーです。
- 怖さ:
- グロ度:
- ジャンル:ボディホラー・青春・心理
- 一言ポイント:「“血”と“成長”を描く、生理的で哲学的な美しき異端ホラー」

グロいのに目が離せない。嫌悪と美が共存してるのがすごい。

姉妹の関係が狂気的で切ない。怖さより“痛み”が残る映画。

食と性と成長をここまで重ねるとは…。観終わってもしばらく引きずる。
| 配信サービス | 配信状況 | 配信先 |
|---|---|---|
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RAW 少女のめざめ [DVD]



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アメリカのスラッシャーは暴力的でスピーディ、ヨーロッパの作品は宗教や心理を掘り下げ、アジアのホラーは沈黙と余白で恐怖を紡ぐ。その違いを味わうことこそ、ホラーの本当の面白さです。
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