ハロウィンに観たいホラー映画おすすめ15選｜怖いけど楽しい名作を厳選！

街がオレンジの光に包まれ、マスクやコスチュームに身を包んだ人々が夜を歩く──。そんな季節がやってきたら、観るべきはやっぱり“ハロウィンホラー”です。

血が飛び散るスラッシャー、ちょっと不気味なファンタジー、そして笑いながら悲鳴を上げられるパーティームービー。怖さと楽しさが共存する映画こそ、ハロウィンの夜にぴったり。

今回は「ハロウィンに観たいホラー映画おすすめ15選」と題して、初心者でも観やすい名作から、雰囲気満点のクラシック、コスプレにも人気のキャラ登場作品までを厳選しました。

キャンドルを灯し、部屋の照明を落として──。その瞬間から、あなたのハロウィンは映画の中へと変わります。

ハロウィンに観たいホラー映画おすすめ15選｜怖いけど楽しい名作を厳選！

タイトル	ジャンル	怖さ
ハロウィン（1978）	スラッシャー
ハロウィン（2018）	スラッシャー・リブート
スクリーム	スラッシャー・青春
トリック・オア・トリート	オムニバス・ハロウィン
ナイトメアー・ビフォア・クリスマス	ファンタジー・ミュージカル
ホーカス・ポーカス	魔女・ファンタジー
アダムス・ファミリー	コメディ・ホラー
ゴーストバスターズ	心霊・アクション
チャイルド・プレイ	スラッシャー・人形
グレムリン	モンスター・コメディ
ビートルジュース	コメディ・ゴシック
キャスパー	ファンタジー・幽霊
ザ・ゲスト	サスペンス・スリラー
コララインとボタンの魔女	ダークファンタジー
コープスブライド	ゴシック・ロマンス

ハロウィン（1978）

公開年	制作国	上映時間
1978年	アメリカ	91分

映画紹介：
白い無表情のマスク、静かに近づく足音、そして呼吸音──。ジョン・カーペンターが低予算で創り上げた『ハロウィン』は、現代スラッシャーの設計図となった金字塔です。舞台はハドンフィールドのハロウィンの夜。幼少期に殺人を犯したマイケル・マイヤーズが精神病院を脱走し、平穏な住宅街に戻ってくる。余計な説明を排し、“見られている”感覚だけで恐怖を積み上げる演出は、今観ても鮮烈。

主人公ローリー（ジェイミー・リー・カーティス）の日常が少しずつ侵食されるプロセスがこの作品の真骨頂。カメラは遠景からじっと見つめ、犯人の姿は画面の端に小さく現れては消える。観客の想像力に火をつけるミニマル演出で、暴力描写に頼らず恐怖を増幅させます。シンセのメインテーマは、心拍数を直接いじるかのような反復フレーズで、音楽そのものが凶器として機能。

ローリーが“最後の少女（ファイナルガール）”として覚醒していく流れも見事。弱さから強さへ、受動から能動へ──キャラクターアークの教科書としても語り継がれる所以です。血みどろの派手さはないが、カット割り、フレーミング、音の使い方だけでここまで怖くできるのかと唸るはず。

ハロウィンの夜に観るべき“原点にして頂点”。静かな悪意が街角に立っているだけで、人はこれほどまでに怯える──映画が持つ純粋なサスペンスの力を体感できます。

ハロウィン（2018）

公開年	制作国	上映時間
2018年	アメリカ	106分

映画紹介：
40年の沈黙を破り、伝説が再び動き出す──。『ハロウィン（2018）』は1978年版の正統続編として制作された、シリーズのリブートにして完結編への第一章です。あの夜を生き延びたローリー・ストロードが、マイケル・マイヤーズと再び対峙する。時を経て“被害者”から“戦う者”へ変貌した彼女の姿は、ホラー映画史に残るカムバックでした。

40年間、トラウマに支配されながらも、ローリーは生き延びるために自宅を要塞化し、銃火器を揃えて準備を続けてきた。その狂気すら孕んだ執念が、観る者に問いかけます──「本当の怪物はどちらなのか？」。彼女の目に宿る恐怖と決意が、単なる復讐劇を超えた深みを生み出しています。

映像面では1978年版へのオマージュが随所に散りばめられ、カーペンター本人が手掛けた音楽が再び鳴り響く。息づかい、影の落ち方、カメラの揺れ──そのすべてが原点への愛で満たされています。それでいてテンポは現代的で、ホラー初心者にも観やすい緊張感を保っているのが見事。

ローリーとマイケル、ふたりの“40年越しの決着”が放つエネルギーは圧倒的。老いてなお燃える復讐心と恐怖の対峙に、あなたも息を呑むはずです。

スクリーム

公開年	制作国	上映時間
1996年	アメリカ	111分

映画紹介：
「ホラー映画を見たことがある奴なら、絶対にこうはしない──」。そんなメタな視点で始まる『スクリーム』は、90年代ホラーを再生させた革命作です。ホラー映画の定番ルールをキャラ自身が語りながら、その“お約束”を巧みに利用して殺されていく。監督は『エルム街の悪夢』のウェス・クレイヴン。彼自身が築いたジャンルを、鮮やかに解体してみせた知的スラッシャーです。

舞台は平和な田舎町。正体不明の殺人鬼“ゴーストフェイス”が、電話で冗談を言いながら若者を次々と襲う。序盤のドリュー・バリモアのシーンはあまりに有名で、観客に「誰も安全じゃない」と思わせる衝撃の幕開けとなりました。電話越しのやりとりが生む緊張感は、今観てもゾクゾクします。

登場人物たちはホラー映画マニアばかり。彼らが“ホラー映画の生き残り方”を真剣に議論するシーンは痛快でありながら、皮肉でもあります。ジャンルの文法を熟知した者ほど、逆にその罠にハマる──この構造が見事に機能しており、恐怖と笑いが同居する絶妙なテンションを生み出しています。

軽妙でポップ、なのに残酷。『スクリーム』はホラーをメタ的に楽しむ時代の幕を開けた作品であり、“観る者もゲームに巻き込まれる感覚”を体験できる傑作です。

トリック・オア・トリート

公開年	制作国	上映時間
2007年	アメリカ	82分

映画紹介：
ハロウィンの夜、静かな町に現れる小さな悪魔“サム”。『トリック・オア・トリート』は、この一夜に起こる5つの恐怖を描いたオムニバスホラーです。お菓子を配らない大人、悪ふざけする子ども、秘密を隠した教師、そして奇妙な隣人たち。誰もが何かを隠し、ハロウィンのルールを破った瞬間、呪いが牙をむきます。

作品全体をつなぐのは、パンプキン頭の不気味な子ども・サム。彼はハロウィンの伝統を守る存在として、静かに、そして容赦なく制裁を下します。血の雨が降りながらも、どこかポップでコミカルなトーンを保っているのが本作の魅力。まるでお菓子の中に毒が混ざっているような、“甘くて痛い”感覚がクセになります。

物語は時間軸が交錯し、各エピソードがひとつの夜に収束していく構成。ラストで全てがつながる瞬間のカタルシスは、ホラー版『パルプ・フィクション』とも言える完成度。ホラー好きならニヤリとできる仕掛けが随所に散りばめられています。

「トリック・オア・トリート」を破る者には、罰が下る。ハロウィンという祭りの闇の顔を描いた愛すべきカルト作です。

ナイトメアー・ビフォア・クリスマス

公開年	制作国	上映時間
1993年	アメリカ	76分

映画紹介：
死者が踊り、カボチャが歌う──。ティム・バートン原案、ヘンリー・セリック監督による『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』は、ハロウィンとクリスマス、ふたつの祝祭が交わる奇跡のファンタジー。骸骨の“ジャック・スケリントン”が、ハロウィンタウンのマンネリを打破しようとクリスマスの世界を乗っ取ろうとする物語です。

ストップモーション・アニメの美しさは今見ても圧倒的。人形たちの質感、影の落ち方、色彩のコントラスト──そのすべてがゴシックとポップの融合です。バートンの世界観を象徴する“かわいくて不気味”なキャラたちが、楽しげに死を歌う姿は唯一無二。

ジャックが夢を追いかける姿は、単なる子どものおとぎ話ではなく、創作への情熱と自己喪失という大人のテーマをもはらんでいます。彼がクリスマスを理解しようとするたびに、その純粋さと狂気が同時に溢れ出す。この両義性が、作品を不朽の名作へと押し上げました。

ハロウィン映画としても、クリスマス映画としても成立する稀有な存在。ジャックの歌声が鳴り響くとき、あなたの心も少しだけ闇のリズムで踊り出すでしょう。

ホーカス・ポーカス

公開年	制作国	上映時間
1993年	アメリカ	96分

映画紹介：
3人の魔女が現代に蘇る──。『ホーカス・ポーカス』は、ハロウィンの夜を舞台にしたディズニー製ホラー・コメディの傑作です。1693年に処刑された魔女サンダーソン姉妹が、300年の時を超えて甦り、子どもたちの魂を狙うというストーリー。恐ろしいのにどこかユーモラス、怖さと笑いが絶妙に同居する“ハロウィンの原風景”のような作品です。

主演はベット・ミドラー、サラ・ジェシカ・パーカーら豪華女優陣。彼女たちのハイテンションな演技とミュージカル仕立ての展開は、まるで舞台のように華やか。子どもたちが魔女に立ち向かう物語は、ファンタジーとスリルのバランスが心地よく、家族で観ても楽しめる作りになっています。

特に印象的なのは、魔女たちの“古臭さ”と現代社会のギャップ。スマホも車も知らない彼女たちが右往左往する姿が微笑ましく、同時にハロウィンという伝統が持つ“過去と現在の交差”を象徴しているようにも見えます。ディズニー流のホラーは、決して血や悲鳴ではなく、奇妙な愛嬌と幻想の中に潜む魔力で魅せてくれます。

子どもから大人まで楽しめるハロウィン映画の定番。恐怖よりも魔法と笑顔で盛り上がりたい夜にぴったりの一本です。

アダムス・ファミリー

公開年	制作国	上映時間
1991年	アメリカ	102分

映画紹介：
黒いユーモアと愛に満ちた“奇妙な家族”。『アダムス・ファミリー』は、ホラーとコメディを融合させた90年代の名作であり、ハロウィンの象徴的存在として長く愛されてきました。棺桶で寝る父ゴメズ、冷酷な美貌の母モーティシア、電気椅子が大好きな子どもたち──常識が通じない一家の日常が描かれます。

彼らは決して“悪”ではなく、むしろ深い家族愛に満ちている。死を恐れず、恐怖を楽しみ、“異形を受け入れる優しさ”がこの映画の核にあります。見た目の異常さとは裏腹に、どのキャラクターもどこかチャーミングで、人間味に溢れているのが魅力。

特筆すべきは、モーティシアを演じるアンジェリカ・ヒューストンの美しさと存在感。黒のドレスと青白い照明の中で浮かび上がる彼女の姿は、まさに“ゴシックの女王”。ゴメズとの耽美で情熱的な愛も本作の大きな見どころです。

怖いというより、心が温かくなるホラーコメディ。“普通じゃない”を肯定してくれる、ハロウィンにぴったりの奇妙で美しい家族物語です。

ゴーストバスターズ

公開年	制作国	上映時間
1984年	アメリカ	105分

映画紹介：
「ゴーストバスターズ！」のテーマソングが流れた瞬間、世界中が笑って叫んだ──。1984年公開の『ゴーストバスターズ』は、ホラーとコメディを完璧に融合させたエンタメ映画の金字塔です。幽霊退治をビジネスにする科学者チームが、ニューヨークを舞台に大騒動を繰り広げる。ホラーでありながら、誰もが楽しめる“お化けアクション”として愛され続けています。

最大の魅力は、そのテンポとユーモア。オカルトを科学で解明するという発想自体がユニークで、シニカルな台詞の応酬と、ちょっと情けない主人公たちの奮闘が最高に楽しい。さらに登場するゴーストたちは、怖いだけでなくどこか憎めないデザインで、特にマシュマロマンのインパクトは伝説級。

監督はアイヴァン・ライトマン、主演はビル・マーレイ、ダン・エイクロイドと、80年代コメディ黄金期の布陣。彼らの軽妙な掛け合いが物語に絶妙なバランスを与え、ホラーなのに観終わったあとスッキリする爽快感を残します。

ホラー初心者にもおすすめの“楽しい幽霊映画”。恐怖よりも笑いでハロウィンを盛り上げたい夜にぴったりの一本です。

チャイルド・プレイ

公開年	制作国	上映時間
1988年	アメリカ	87分

映画紹介：
「ハイ、ボク、チャッキー。友だちになろうよ！」──無邪気な声に潜む殺意。『チャイルド・プレイ』は、呪われた人形が人間を襲うというホラー界の金字塔です。おもちゃ売り場で買われた“グッドガイ人形”に、殺人鬼の魂が乗り移った瞬間から、少年アンディの悪夢が始まります。

チャッキーの魅力は、その狂気とユーモアの共存。外見は可愛らしい人形なのに、口を開けば下品なセリフを吐き、ナイフを手に追い詰めてくる。そのギャップが強烈で、恐怖と笑いが入り混じる独特のテンションを生み出しています。人形という存在が“人間より人間らしく”なる瞬間に、背筋が凍る。

特撮とアニマトロニクスの完成度も圧巻。1980年代の技術でここまで表情豊かに動く人形を見せたこと自体が驚異的で、今見ても生々しさが失われていません。監督トム・ホランドが描いたのは、単なる人形ホラーではなく、「愛玩物への信頼が崩壊する瞬間」という社会的恐怖でもあります。

ハロウィンの夜にぴったりの一作。チャッキーの毒舌と暴走に、恐怖と笑いが交互に押し寄せる、まさに“狂気のエンタメ人形劇”です。

グレムリン

公開年	制作国	上映時間
1984年	アメリカ	106分

映画紹介：
「真夜中に食べ物を与えるな。水に濡らすな。強い光に当てるな。」──この3つのルールを破った瞬間、街は大混乱に陥る。『グレムリン』は、80年代スピルバーグ製作による傑作モンスター・コメディであり、ハロウィンにもぴったりな“可愛いのに怖い”映画です。

主人公がプレゼントとして手に入れた小さな生物モグワイ。大きな耳とつぶらな瞳で誰もが一目惚れする愛らしさを持ちながら、ルールを破ると一転して凶暴な怪物“グレムリン”へと変貌します。このギャップが最大の魅力で、「可愛さ」と「狂気」の境界線を軽々と越えてくる演出が最高にスリリング。

特撮・アニマトロニクスによる生き生きとした動き、破壊の限りを尽くす小悪魔たちの暴れっぷり、そしてちょっとブラックなユーモア。すべてが絶妙なバランスで調和しており、子どもも大人も楽しめる“モンスター映画の教科書”と言える完成度です。

ハロウィンの夜に観ると、モグワイの可愛さに油断して痛い目に遭うかも？愛らしさと恐怖が手を取り合う80年代の名作です。

ビートルジュース

公開年	制作国	上映時間
1988年	アメリカ	92分

映画紹介：
死んでも退屈、だから騒ぐ！──ティム・バートン監督が贈る『ビートルジュース』は、死後の世界をポップに描いた異色のホラーコメディ。事故で死んでしまった夫婦が、自分たちの家に引っ越してきた新住民を追い出そうと奮闘する…という奇想天外な物語です。

登場するのは、死者専用の役所、砂漠を泳ぐ巨大なサンドワーム、そして問題児の霊界カウンセラー・ビートルジュース。彼の破天荒な言動と下品なユーモアが炸裂し、“死”をここまでカラフルに描けるのかと唸らされます。マイケル・キートン演じるビートルジュースはまさに怪演そのもので、数分の登場ながら映画全体を支配する存在感。

ティム・バートンらしいゴシックデザインとダークな笑いに満ちた世界観は、後の『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』へと続く美学の原点。死を恐れるどころか、“死んだあとも人生は続く”という明るい諦観が感じられます。

不気味なのに元気が出る、奇想天外な死後のパーティーへようこそ。ハロウィンの夜にぴったりの“笑える死者の祝祭”です。

キャスパー

公開年	制作国	上映時間
1995年	アメリカ	100分

映画紹介：
「ぼく、おばけだけど、怖がらせたくないんだ。」──優しい幽霊キャスパーと少女の交流を描いた本作は、泣けるハートフル・ファンタジーホラーです。屋敷に棲む“おばけ少年”と、人間の少女の不思議な友情が、ほんのり切なくも温かく描かれています。

幽霊映画というと怖さを連想しますが、本作の魅力はむしろ“優しさ”。キャスパーは純粋で、ただ誰かと話したいだけの存在。彼と少女キャットの関係は、生と死を越えた心のつながりを静かに描き出しています。ホラーの要素は控えめながらも、幽霊屋敷の演出やゴーストたちのドタバタ劇でしっかりハロウィン気分を味わえます。

また、当時としては革新的だったCG表現も見どころ。キャスパーの透け感や柔らかい動きが繊細で、今観ても十分に魅力的。物語の終盤、彼が見せる“一瞬の奇跡”には、思わず涙してしまう人も多いはずです。

ハロウィンの夜に少し優しい気持ちになりたい人へ。怖さよりも温かさが心に残る、癒し系ゴーストムービーです。

ザ・ゲスト

公開年	制作国	上映時間
2014年	アメリカ	100分

映画紹介：
ハロウィンの装飾が街を彩る中、ひとりの青年がある家の扉を叩く──。『ザ・ゲスト』は、静かな田舎町に忍び寄る狂気を描いたスタイリッシュ・スリラーです。監督は『サプライズ』のアダム・ウィンガード。80年代ホラーの美学を現代に蘇らせた、クールで異様な一本です。

物語は、戦死した息子の戦友だと名乗る青年・デイヴィッドが、とある家族のもとに訪れるところから始まります。礼儀正しく頼もしい彼に一家は次第に心を開くが、やがて周囲で不可解な事件が起こり始める。穏やかな笑顔の裏に隠された狂気が少しずつ露わになっていく過程は、まさに“静かな破壊”です。

注目すべきはデイヴィッドを演じるダン・スティーヴンス。完璧なルックスと冷徹な演技のギャップがゾクリとさせます。さらに、80年代シンセサウンドを基調にしたサウンドトラックが、不気味でありながらどこか魅惑的。“ハロウィンの夜の悪夢”を音で体感できる演出が見事です。

血が滴るスプラッターではなく、微笑みの裏に潜む恐怖。パーティーの熱気の中に潜む異常さがじわじわと肌を刺す、知的で美しいスリラーです。

コララインとボタンの魔女

公開年	制作国	上映時間
2009年	アメリカ	100分

映画紹介：
鍵穴の向こうには、もうひとつの世界──。『コララインとボタンの魔女』は、子どもの想像力と恐怖心を見事に融合させたダークファンタジーです。監督は『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』を手掛けたヘンリー・セリック。ストップモーション・アニメの限界を超える映像美と、想像を裏切る不気味さが共存しています。

新しい家に引っ越してきた少女・コララインは、退屈な現実から逃げるようにして見つけた小さな扉の先で、理想的な「もうひとりの母」と出会います。しかし、その母の目は黒いボタン──。“理想”が“悪夢”へと反転する瞬間の恐怖演出は、アニメとは思えないほど冷たく鋭い。

本作の真価は、子ども向けに見せかけた残酷なテーマにあります。過保護、孤独、依存、そしてアイデンティティ。現実を嫌った少女が“自分の世界”を取り戻すまでの物語は、まるで成長の儀式のよう。「夢のような恐怖」という言葉がぴったりの作品です。

カラフルで可愛いのに、どこか寒気が走る。ハロウィンの夜、明かりを消して観ると本当の怖さがわかる一本です。

コープスブライド

公開年	制作国	上映時間
2005年	アメリカ／イギリス	77分

映画紹介：
死者の花嫁が語りかける──。ティム・バートン監督による『コープスブライド』は、死と愛を美しく描いたゴシック・ラブファンタジーです。19世紀のヨーロッパを舞台に、婚約を控えた青年ビクターが偶然“死者の花嫁”エミリーと結婚してしまうことから始まる、奇妙で切ない物語。

ティム・バートン特有のストップモーションアニメの映像美は圧巻。灰色の現世と、カラフルな死者の世界の対比が見事で、“死後の世界の方が生き生きしている”という逆転構造が強烈な印象を残します。エミリーの青白い肌や空洞の瞳は不気味なのに、どこか儚く美しい。

そして本作が単なる幻想譚ではなく、「生と死の境界で揺れる愛の物語」であることが素晴らしい。死んでもなお純粋に人を想い続けるエミリーの姿は、観る者の心に静かに残ります。ジョニー・デップとヘレナ・ボナム＝カーターの声優コンビが紡ぐ台詞の一つひとつが、まるで詩のよう。

怖さよりも、静かな美しさが心に響く。ハロウィンの夜にロマンチックな死者の世界へ旅したい人におすすめの名作です。

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ハロウィンの夜は、現実と非現実の境界があいまいになる特別な時間。仮装して街を歩くのもいいけれど、家で映画を観ながら“もうひとつの世界”を覗くのも最高の過ごし方です。

今回紹介した15本は、血や悲鳴だけでなく、ユーモアや切なさ、そして不思議な美しさを併せ持つハロウィン向けの傑作たち。怖さの中にある「楽しさ」や「温かさ」を感じられる作品ばかりです。

一人でじっくり浸るのも、仲間と笑いながら観るのも自由。ハロウィンの夜を、あなたなりの“ホラーナイト”で彩ってみてください。きっと、忘れられない一晩になるはずです。