ドラマで味わう“恐怖”｜ホラー映画好きにおすすめの作品まとめ

1話、また1話と積み重なるごとに恐怖が膨らんでいく──。

2時間で完結する映画と違い、ドラマは時間をかけて人間関係を描き、じわじわと不穏な空気を広げていきます。気づいたら深夜に次のエピソードを押してしまう…そんな中毒性がホラードラマにはあるのです。

今回は国内外からセレクトしたおすすめの「ホラードラマ」25本を厳選。
ゾンビ系やゴシックホラー、韓国発のスリラードラマから、実在事件に迫る異色作まで、多彩なラインナップを紹介します。Netflixで配信されている作品も多く、今すぐ視聴できるのも魅力です。

長い時間をかけて、恐怖に飲み込まれてください──。

じわじわ怖い！おすすめホラードラマ25選

タイトル	ジャンル	怖さ
ウォーキング・デッド	ゾンビ・サバイバル
ストレンジャー・シングス 未知の世界	Sci-Fi・モンスター
ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス	心霊・ゴシック
真夜中のミサ	宗教・サスペンス
アッシャー家の崩壊	ゴシック・怪奇
ドラキュラ（Netflix版）	ヴァンパイア
サンタクラリータ・ダイエット	ゾンビ・コメディ
スウィートホーム 俺と世界の絶望	モンスター・サバイバル
地獄が呼んでいる	宗教・社会派
ザ・ウォッチャー	実話ベース・サスペンス
ブランニュー・チェリーフレーバー	サイケ・呪術
オーダー 暗黒の世界	魔術・ダークファンタジー
ロック＆キー	屋敷・ファンタジーホラー
ダーマー	実録・サイコホラー
タイプライター	幽霊・インドホラー
ハピネス -守りたいもの-	ゾンビ・パンデミック
京城クリーチャー	モンスター・歴史
ホテル・デルーナ	心霊・ファンタジー
悪霊狩猟団：カウンターズ	悪霊・アクション
寄生獣 －ザ・グレイ－	エイリアン・サバイバル
マスクガール	スリラー・人間ホラー
ウェンズデー	学園・ホラーミステリー
マリアンヌ －呪われた物語－	魔女・心霊ホラー
呪怨：呪いの家	心霊・スプラッター
Re:Mind	密室・サスペンス

ウォーキング・デッド

公開年	制作国	シーズン数
2010年～	アメリカ	11シーズン

ドラマ紹介：
世界中にゾンビブームを巻き起こした金字塔、それが『ウォーキング・デッド』です。原作は大人気コミックですが、ドラマ版はさらに人間ドラマに焦点を当て、単なるゾンビパニックを超えた“生存劇”を描きました。

物語は保安官リックが目覚めたとき、すでに世界は崩壊していたところから始まります。ゾンビの群れだけでなく、生き残った人間同士の争いがより恐ろしく、残酷に描かれるのが特徴です。「ゾンビは背景、人間こそが脅威」というテーマが全編を貫きます。

作品の魅力は、キャラクターごとの葛藤や成長。仲間を守るために非情な決断を迫られる者、狂気に堕ちていく者──。そのドラマ性はホラー映画では描ききれない深さを持っています。シーズンを重ねるごとに世界観が広がり、視聴者はまるで共に生き延びているかのような没入感を味わえます。

単なるゾンビエンタメではなく、極限状態における人間の本質をえぐり出す社会派ドラマとしても一級品。ホラー映画好きなら必ず抑えておきたい一本です。

ストレンジャー・シングス 未知の世界

公開年	制作国	シーズン数
2016年～	アメリカ	5シーズン（予定）

ドラマ紹介：
1980年代の空気を色濃くまとい、世界中で社会現象となったのが『ストレンジャー・シングス 未知の世界』です。80sカルチャーへのオマージュを詰め込みながら、ホラーとSF、青春ドラマを融合させた新感覚シリーズとしてNetflixの代表作になりました。

物語は小さな町で少年が失踪する事件から始まります。やがて浮かび上がるのは、政府の秘密実験、裏側の異世界「アップサイド・ダウン」、そして特殊な能力を持つ少女イレブンの存在。“日常のすぐ裏に潜む異界”が、次々と恐怖をもたらしていきます。

ただ怖いだけでなく、友情や家族愛、成長物語としての側面も強く、幅広い層に支持される理由となっています。80年代ホラー映画のようなモンスター演出と、現代的な人間ドラマが絶妙に絡み合うことで、唯一無二の魅力を放ちます。

「ホラーが苦手でも観られる」「でもしっかり怖い」──。この絶妙なバランスが、本作を世界的ヒットに押し上げました。ホラー映画ファンなら必ず楽しめる、愛と恐怖の青春譚です。

ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス

公開年	制作国	シーズン数
2018年	アメリカ	1シーズン

ドラマ紹介：
ゴシックホラーの名作小説をベースに、現代的な解釈で蘇らせたのが『ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス』です。“家そのものが生きている”かのような屋敷を舞台に、過去と現在が交錯しながら描かれる一家の物語は、単なる怪談を超えた重厚な人間ドラマに仕上がっています。

幼少期に屋敷で恐怖体験をした兄妹たちが、大人になって再び因縁の地に向き合う構成。心霊現象はもちろん、家族それぞれが抱えるトラウマが物語を深くしています。観客は霊の存在に怯えると同時に、“過去の記憶”という形を変えたホラーにも直面するのです。

映像美と緻密な構成も特筆すべき点。特に長回しによる演出や、画面の隅にひっそりと潜む幽霊の存在は、一瞬の油断も許しません。繰り返し観ることで新しい恐怖に気づかされる、リピート必至の作品です。

「ただの怖い話」にとどまらず、喪失や再生を描く感動ドラマとしても評価が高い本作。ホラー映画好きはもちろん、ストーリー性を重視する視聴者にも強くおすすめできます。

真夜中のミサ

公開年	制作国	シーズン数
2021年	アメリカ	1シーズン

ドラマ紹介：
静かな漁村を舞台に展開する『真夜中のミサ』は、信仰と恐怖を巧みに融合させた異色のホラードラマです。監督は『ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス』のマイク・フラナガン。宗教的な儀式と超自然的な恐怖を絡めた本作は、観る者をじわじわと追い詰めていきます。

物語は新たにやってきた若い神父の登場から始まります。村に“奇跡”がもたらされ、人々は熱狂しますが、やがてそれは血と犠牲を伴う狂気の信仰へと変貌。信じる者たちが次々と境界を踏み越えていく様子は、宗教ホラーならではの不気味さを放ちます。

本作はジャンプスケアに頼らず、台詞や空気感で恐怖を積み上げていくのが特徴。長回しで繰り広げられる神学的な議論や、静けさの中で忍び寄る異形の存在は、まさに“静かな悪夢”といえるでしょう。

信仰と理性の間で揺れる人々を描くことで、単なるホラーを超えた社会的テーマを提示。観終えたあと、宗教や人間の弱さについて深く考えさせられる、スルメのように味わい深い一作です。

アッシャー家の崩壊

公開年	制作国	シーズン数
2023年	アメリカ	1シーズン

ドラマ紹介：
エドガー・アラン・ポーの怪奇文学をベースに再構築した『アッシャー家の崩壊』は、ゴシックホラーの真髄を現代に蘇らせたNetflixオリジナルドラマです。『ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス』や『真夜中のミサ』を手がけたマイク・フラナガン監督が、今度は“権力と呪い”を題材に壮大な恐怖譚を描きます。

巨大製薬会社を率いるアッシャー一族。彼らの富と権力の裏には、ある暗い秘密と契約が隠されていました。次々と起こる不可解で残酷な死は、ポーの短編作品群をモチーフにしており、文学とホラーが見事に融合しています。

本作は単なる怪奇現象の連続ではなく、アッシャー家という一族の血にまみれた系譜を描く人間ドラマとしても見応えがあります。権力、欲望、罪悪感──そのすべてが呪いとなって家族を追い詰めていくのです。

ゴシック建築の荘厳な映像美と、ポー文学特有の陰鬱さが合わさり、まさに“現代版怪奇譚”。ホラー映画ファンだけでなく、文学好きにも刺さる異色の傑作です。

ドラキュラ（Netflix版）

公開年	制作国	シーズン数
2020年	イギリス／アメリカ	1シーズン（全3話）

ドラマ紹介：
ブラム・ストーカーの古典小説を原作にしながら、独自の解釈で生まれ変わったのが『ドラキュラ（Netflix版）』です。全3話構成のミニシリーズながら、壮大かつ実験的なアプローチで“ドラキュラ伝説”を現代にアップデートしています。

第1話は原作に忠実なゴシックホラーとして展開しますが、回を追うごとに大胆な解釈が加わり、時代を超えて現代へと舞台が移る構成。伝統的な吸血鬼像に新たな血を注ぐ試みは賛否を呼びましたが、強烈な印象を残しました。

クレス・バングが演じるドラキュラ伯爵は、冷酷でありながらもどこかユーモラス。恐怖と色気を兼ね備えた存在感で観客を魅了します。重厚な映像美、血に彩られた惨劇、そして現代的なテーマ性が絡み合い、他の吸血鬼作品とは一線を画す仕上がりになっています。

「古典の再解釈」という挑戦を堂々とやりきった作品。吸血鬼ドラマの新境地を味わいたい人におすすめです。

サンタクラリータ・ダイエット

公開年	制作国	シーズン数
2017年～2019年	アメリカ	3シーズン

ドラマ紹介：
ホラーとコメディを絶妙に融合させた異色作が『サンタクラリータ・ダイエット』です。平凡な郊外の家庭に暮らす夫婦が、不意に“ゾンビ化”という非日常に巻き込まれていく姿を、ブラックユーモアたっぷりに描きます。

主人公シーラが突然人肉を欲するようになり、夫と娘はその秘密を隠しながら日常生活を続けようと奮闘。ゾンビでありながらも主婦として生活するという設定は斬新で、家族の絆とグロテスクな笑いが共存する稀有な作品です。

人を食べるシーンなど刺激的な描写も多いですが、それをシニカルなコメディとして見せる手腕は見事。ドリュー・バリモアとティモシー・オリファントの掛け合いも軽妙で、重くなりがちなゾンビ題材をポップに仕上げています。

ゾンビものなのに“笑える”。それでいて、いつ秘密がバレるのかという緊張感もあり、ホラー映画好きには意外性のある一作となるでしょう。

スウィートホーム 俺と世界の絶望

公開年	制作国	シーズン数
2020年	韓国	2シーズン（配信中）

ドラマ紹介：
韓国発のモンスター・サバイバルドラマとして世界的にヒットしたのが『スウィートホーム 俺と世界の絶望』です。人気WEB漫画を原作に、壮絶なアクションと濃厚な人間ドラマを融合させた本作は、Netflix配信直後から大きな話題を呼びました。

舞台は古びたアパート「グリーンホーム」。そこに突如として現れるのは、人間の欲望が具現化した怪物たち。住人たちは閉じ込められた状況で、それぞれの恐怖と向き合いながら生き延びるために戦います。

怪物の造形はどれも独創的で、欲望や執着を反映したデザインは強烈なインパクトを放ちます。また、住人たちの人間関係や葛藤が丁寧に描かれており、単なるモンスターアクションを超えた感情的な厚みを備えています。

絶望的な状況下でも芽生える希望や仲間意識が描かれることで、観る者の心を揺さぶる本作。ホラー映画ファンはもちろん、韓国ドラマならではの緊迫感を味わいたい人におすすめです。

地獄が呼んでいる

公開年	制作国	シーズン数
2021年	韓国	1シーズン（続編制作中）

ドラマ紹介：
『新感染』のヨン・サンホ監督が手がけた衝撃作『地獄が呼んでいる』は、宗教と社会を絡めた異色のホラードラマです。突如現れる黒い怪物たちが「地獄行き」を宣告された人々を無惨に葬る──その光景は、恐怖を超えて人々の価値観を根底から揺さぶります。

物語は「宣告」を受けた人々のパニックから始まり、その後は新興宗教団体の台頭と狂信が描かれます。人々は恐怖に支配され、やがて「これは神の裁きだ」と信じ込み、社会は混乱と暴力に飲み込まれていくのです。

本作の恐怖は怪物そのものよりも、それを正当化する人間の集団心理にあります。理不尽な死の宣告を受け入れるしかない人々、狂信的に他者を裁く信徒──映し出されるのは現実社会の縮図のような悪夢です。

ホラーと社会派ドラマが融合した『地獄が呼んでいる』は、単なる怪物ホラーではなく、信仰と権力、そして人間の弱さを抉り出す重厚な一作となっています。

ザ・ウォッチャー

公開年	制作国	シーズン数
2022年	アメリカ	1シーズン

ドラマ紹介：
実際に起きた不可解な事件をベースにしたサスペンスホラーが『ザ・ウォッチャー』です。新居に引っ越してきた一家が、正体不明の人物から不気味な手紙を受け取り始める──という衝撃の導入から、視聴者をじわじわと恐怖に追い込みます。

舞台は郊外の高級住宅街。美しい家と平穏な日常が、いつしか「誰かに監視されている」という得体の知れない不安で侵食されていきます。犯人は誰なのか、隣人なのか、それとも――？ 不安をかき立てる演出が秀逸です。

本作の怖さはジャンプスケアではなく、終始続く緊張感と不気味さ。“説明されない恐怖”がリアルさを増し、観終えた後も背後を振り返りたくなるほどです。事実ベースだからこそ余計にゾッとする作品と言えるでしょう。

「家」という最も安心できるはずの場所が脅かされる恐怖は、ホラーの原点ともいえるテーマ。心霊やモンスターではなく、人間の存在そのものがホラーであることを突きつけてきます。

ブランニュー・チェリーフレーバー

公開年	制作国	シーズン数
2021年	アメリカ	1シーズン

ドラマ紹介：
『ブランニュー・チェリーフレーバー』は、サイケデリックな映像美と呪術的ホラーを掛け合わせた、極めて異色のNetflixオリジナルドラマです。ハリウッドの裏側を舞台に、野心、裏切り、そしてオカルト的恐怖が渦巻きます。

映画監督を夢見る若い女性リサが業界に裏切られ、復讐を誓ったことから物語が展開。彼女は怪しげな呪術師と手を組みますが、現実と幻覚の境界が崩れていくにつれ、恐ろしい代償を払うことになります。幻惑的な映像とショッキングな描写が、観る者を不安定な世界へ引き込みます。

呪術や血、異形のビジュアルなどグロテスクな場面も多く、鑑賞者を選ぶ作品。しかしその大胆でカルト的な世界観は唯一無二。「理解不能だけど強烈に心に残る」タイプのホラードラマといえるでしょう。

ハリウッドの光と闇を、呪術ホラーとして描き切った本作。ありふれたホラーに飽きた人にこそおすすめです。

オーダー 暗黒の世界

公開年	制作国	シーズン数
2019年	カナダ	2シーズン

ドラマ紹介：
『オーダー 暗黒の世界』は、大学を舞台に魔術とモンスターの戦いを描いたダークファンタジーホラーです。秘密結社に属する学生たちが、禁断の魔術に手を伸ばし、やがて想像を超える脅威に直面していきます。

主人公ジャックは母の死の真相を探るため、大学で魔術サークル「オーダー」に入会。そこで繰り広げられるのは、魔法の儀式、狼人間との戦い、そして人間同士の裏切りと駆け引きです。青春ドラマとホラーの要素が組み合わさったユニークな作風が魅力です。

本作はシリアスさよりもポップさが強めで、軽快なテンポで進む一方、突然訪れるショッキングな展開で視聴者を驚かせます。学生ホラーらしい瑞々しさと、魔術バトルのダークさが共存している点がポイントです。

学園ホラーやファンタジー要素のある作品が好きな人にとっては、肩の力を抜いて楽しめる新感覚ホラードラマです。

ロック＆キー

公開年	制作国	シーズン数
2020年～2022年	アメリカ	3シーズン

ドラマ紹介：
ジョー・ヒル（スティーヴン・キングの息子）の人気グラフィックノベルを実写化した『ロック＆キー』は、ファンタジーとホラーを融合させた独特の世界観を持つドラマです。鍵が持つ不思議な力と、それを巡る人間模様が描かれます。

舞台は由緒ある屋敷「キー・ハウス」。父を失ったロック家の兄妹が新生活を始めると、屋敷にはさまざまな魔力を宿した鍵が隠されていることを知ります。しかし、その力を狙う邪悪な存在が現れ、兄妹は恐ろしい戦いに巻き込まれていきます。

本作の魅力は、ホラー的恐怖と冒険ファンタジーのバランス。異形の存在や不穏な空気が漂う一方で、家族の絆や成長も描かれており、幅広い層が楽しめる作品です。映像演出もカラフルかつダークで、グラフィックノベルの雰囲気を忠実に再現しています。

「屋敷ホラー」と「ファンタジーアドベンチャー」を掛け合わせた稀有な作品であり、怪奇現象だけでなく物語性を求める人にぴったりです。

ダーマー

公開年	制作国	シーズン数
2022年	アメリカ	1シーズン（全10話）

ドラマ紹介：
『モンスター: ジェフリー・ダーマーの物語』は、実在した連続殺人鬼ジェフリー・ダーマーの事件を基に描かれたNetflixオリジナルドラマです。彼が引き起こした凄惨な犯罪の数々と、その背景にある社会の闇を冷徹に描き出しています。

物語は被害者視点を重視して描かれており、加害者だけでなく被害者やその家族が背負った痛みを浮き彫りにする点が特徴です。警察の怠慢や差別といった社会問題にも切り込み、単なる犯罪再現ドラマにとどまらない深みを持たせています。

主演のエヴァン・ピーターズによるダーマーの怪演は鳥肌もの。淡々とした口調や不気味な眼差しは、観る者に「本当に怪物は人間の姿をしている」と思わせるほどのリアリティを持っています。

ホラー的な恐怖だけでなく、現実の残酷さが突きつけられる衝撃作。観終わったあとに重苦しい余韻を残す、社会派クライムホラーの傑作です。

タイプライター

公開年	制作国	シーズン数
2019年	インド	1シーズン

ドラマ紹介：
『タイプライター』は、インド発の本格心霊ホラードラマ。舞台となる古い屋敷に隠された秘密と、そこに巣食う霊的存在を巡る物語は、クラシックな幽霊譚の魅力を存分に味わわせてくれます。

ストーリーは、子どもたちが幽霊探しを計画するところから始まります。しかし、無邪気な冒険は次第に恐ろしい現実へと変貌し、屋敷に住みつく“幽霊作家”の呪いが明らかになっていくのです。子どもの好奇心が呼び寄せる恐怖という構図が秀逸で、古典的ホラーの香りが漂います。

作品は幽霊屋敷の不気味さを丁寧に描きながら、インド文化特有の宗教観や家族観を織り込み、異国情緒を感じさせます。派手な演出は少ないものの、じわじわ迫る緊張感が強烈な余韻を残します。

欧米や日本のホラーに慣れた視聴者にとっても、新鮮な恐怖体験が得られるはず。インド発のホラー新境地として注目の作品です。

ハピネス -守りたいもの-

公開年	制作国	シーズン数
2021年	韓国	1シーズン

ドラマ紹介：
『ハピネス -守りたいもの-』は、韓国で制作されたパンデミック系サバイバルホラー。ゾンビのような感染症が拡大する中、高層マンションに閉じ込められた住人たちが、生存をかけて対峙する物語です。

発症者は突如として凶暴化し、人を襲う“ゾンビ”のような状態に。外の世界が封鎖される中、マンションという密閉空間での疑心暗鬼と人間同士の対立が、極限の恐怖を生み出します。

本作の魅力は、アクションやサバイバルだけでなく、住人それぞれの人間模様にあります。利己的な行動や裏切り、時には助け合う姿が描かれ、ホラーを超えた濃厚な人間ドラマとして成立しています。

パンデミック下の不安や閉塞感をリアルに映し出した点でも高評価。ゾンビ映画好きはもちろん、韓国社会派ドラマのファンにも響く作品です。

京城クリーチャー

公開年	制作国	シーズン数
2023年	韓国	2シーズン（予定）

ドラマ紹介：
『京城クリーチャー』は、日本統治下のソウル（当時の京城）を舞台にした歴史×モンスターホラー。暗い時代背景と、禁断の人体実験から生まれた怪物が絡み合うことで、壮絶な恐怖と人間ドラマが展開されます。

物語の中心となるのは、権力者の思惑に翻弄される市民たちと、突如として現れる異形のクリーチャー。彼らの生存をかけた戦いは、単なるモンスター退治にとどまらず、歴史的抑圧や人間の残酷さを浮き彫りにしていきます。

時代劇的な映像美と、モンスターのビジュアルエフェクトが融合しているのも見どころ。韓国ならではの重厚な社会派テーマが根底に流れ、娯楽性とメッセージ性を両立させています。

怪物の恐怖だけでなく、人間の野心や欲望が生み出す悲劇を描いた作品。歴史ドラマとホラーのハイブリッドを体験できる、稀有なシリーズです。

ホテル・デルーナ

公開年	制作国	シーズン数
2019年	韓国	1シーズン

ドラマ紹介：
『ホテル・デルーナ』は、美しくも不気味な“亡霊専門ホテル”を舞台にしたファンタジーホラードラマです。IU（アイユー）が演じる女主人チャン・マンウォルと、偶然ホテルに関わることになった人間の青年の交流を軸に、幽霊たちの未練と別れを描きます。

このホテルは、現世に未練を残した幽霊だけが宿泊できる特別な場所。恐怖と感動が交錯するエピソードが毎回展開され、単なるホラーに留まらずヒューマンドラマとしての深みを持っています。

豪華な美術セットと映像美はまさに“目で観るファンタジー”。IUの華やかで妖艶な存在感が、ホテルそのものの雰囲気を体現しています。ホラー的な幽霊演出に加え、時には涙を誘うストーリーも盛り込まれており、幅広い層が楽しめる構成です。

怖さよりも“切なさ”が心に残る本作は、ホラー映画好きだけでなく、心に響くドラマを求める人にもおすすめです。

悪霊狩猟団：カウンターズ

公開年	制作国	シーズン数
2020年～	韓国	2シーズン（続編予定）

ドラマ紹介：
『悪霊狩猟団：カウンターズ』は、アクションとホラーを融合させた韓国発の人気シリーズ。普段は麺屋を営みながら、実は悪霊を狩る戦士たち「カウンター」が、人間界に潜む悪霊を退治していく物語です。

主人公ソ・ムンは事故で両親を亡くした少年。ある日、カウンターに選ばれたことで人間離れした力を授かり、仲間とともに悪霊に立ち向かうことになります。アクション性が高く、ホラー要素に加えてスーパーヒーローものの爽快感も味わえます。

単なる勧善懲悪ではなく、悪霊に取り憑かれた人間たちの過去や苦悩も描かれるのが本作の特徴。時に胸を打つ展開があり、泣けるシーンも多いのが魅力です。

ホラーとしての恐怖よりもエンタメ性が強く、幅広い視聴者に支持される作品。「怖いけど熱くて泣ける」という独自のバランスが、韓国ドラマならではの新境地を切り開きました。

寄生獣 －ザ・グレイ－

公開年	制作国	シーズン数
2024年	韓国	1シーズン

ドラマ紹介：
日本の大人気漫画『寄生獣』を原作に、韓国で実写ドラマ化されたのが『寄生獣 －ザ・グレイ－』です。舞台を韓国に置き換え、新たなキャラクターとストーリーで再構築し、原作の哲学的テーマを活かしつつ現代的にアレンジしています。

物語は突如として現れた寄生生物が人間を乗っ取り、社会を侵食していくところから始まります。人間の姿を借りて暗躍するパラサイトたちの恐怖はもちろん、彼らに立ち向かう人間たちの葛藤も大きな見どころです。

原作ファンが気になる寄生生物の造形は、現代のVFX技術によって不気味かつ生々しく再現。アクションシーンも緊迫感があり、韓国ドラマ特有の人間ドラマが加わることで、オリジナル要素と原作リスペクトのバランスが取れています。

「人間とは何か」という問いを突きつけるテーマ性はそのままに、韓国ならではのスピード感ある展開で最後まで一気見必至。原作を知らない人も楽しめる完成度の高いホラードラマです。

マスクガール

公開年	制作国	シーズン数
2023年	韓国	1シーズン

ドラマ紹介：
『マスクガール』は、韓国で話題を呼んだ衝撃的スリラードラマ。外見にコンプレックスを抱く女性が、匿名の仮面配信者として注目を集める一方、予期せぬ事件に巻き込まれ、転落と狂気の人生を歩む姿を描きます。

物語は、彼女が「マスクガール」として配信活動を始めるところから展開。しかし、その裏には自己嫌悪、承認欲求、そして周囲の歪んだ欲望が絡み合い、やがて殺人と復讐の連鎖に繋がっていきます。人間の欲望と虚栄心のホラーを徹底的に描いた作品です。

ユーモラスな場面を交えつつも、グロテスクで暴力的な描写も多く、観る者に強烈な印象を残します。外見至上主義やSNS社会を風刺するテーマ性もあり、単なるスリラーを超えて現代社会の闇を抉り出しています。

「顔」というアイデンティティをめぐる恐怖を真正面から描いた本作は、ゾッとすると同時に考えさせられる異色ホラードラマです。

ウェンズデー

公開年	制作国	シーズン数
2022年	アメリカ	1シーズン（続編制作中）

ドラマ紹介：
ティム・バートンが製作総指揮を務めたNetflixオリジナル『ウェンズデー』は、『アダムス・ファミリー』の長女ウェンズデーを主人公に据えた学園ホラーミステリーです。皮肉屋で不気味な彼女のキャラクターが、見事に現代にアップデートされています。

舞台は“ネヴァーモア学園”。そこには吸血鬼や人狼といった異能の生徒たちが集まり、ウェンズデーは転校してきたその場所で連続殺人事件の謎に挑むことになります。ホラー、青春、探偵劇が絶妙に融合したストーリーが展開します。

主演のジェナ・オルテガが体現するウェンズデーは、冷たい視線と皮肉交じりの台詞が最高にクールでダーク。ティム・バートンらしい映像美も相まって、ホラーでありながらどこかポップな雰囲気を漂わせます。

ゴシックな学園ドラマとホラー要素のバランスが心地よく、世代を問わず楽しめる傑作。ホラー映画好きにも刺さる独特のセンスが光ります。

マリアンヌ －呪われた物語－

公開年	制作国	シーズン数
2019年	フランス	1シーズン（全8話）

ドラマ紹介：
『マリアンヌ －呪われた物語－』は、フランス発の本格派ホラードラマ。小説家の女性が、自身の書いたホラー小説の登場人物「マリアンヌ」が現実に現れ、人々を恐怖に陥れていく物語です。

主人公は成功を収めた作家エマ。しかし、彼女の作品に登場する魔女マリアンヌが現実に顕現し、次第にエマの周囲で残虐で恐ろしい怪異が連鎖的に起き始めます。フィクションと現実が曖昧になり、物語に引きずり込まれる恐怖は圧巻です。

演出はヨーロッパ作品らしく陰鬱でダーク。静かな場面から突如訪れるショックシーンや、不気味な人物造形は、アメリカや日本のホラーとは一味違う不穏さを放っています。

「小説の怪物が現実に現れる」というメタ的な恐怖と、邪悪な魔女の存在感が強烈に焼き付く本作。Netflixオリジナルホラーの中でも、隠れた傑作として高く評価されています。

呪怨：呪いの家

公開年	制作国	シーズン数
2020年	日本	1シーズン（全6話）

ドラマ紹介：
『呪怨：呪いの家』は、日本ホラーの代名詞「呪怨」シリーズをNetflixがオリジナルドラマ化した作品です。従来の映画シリーズとは異なり、実際の未解決事件や心霊体験をベースに、より生々しい恐怖を描き出しています。

物語の中心は心霊研究家の小田島。彼が関わった相談者たちの怪異を追ううちに、「あの家」にまつわる終わりなき呪いの正体が明らかになっていきます。血塗られた家の過去に迫る展開は、観る者を逃げ場のない恐怖に引きずり込みます。

シリーズのトレードマークである伽椰子や俊雄の直接的な描写は控えめですが、その代わりに現実に根差した惨劇や社会の闇が強調され、映画以上に重く陰鬱な空気が漂います。

ホラーとしての恐怖はもちろん、日本の“呪い”という概念を社会的文脈で描き直した意欲作。Jホラーの進化形を体感できるドラマです。

Re:Mind

公開年	制作国	シーズン数
2017年	日本	1シーズン（全12話）

ドラマ紹介：
『Re:Mind』は、欅坂46（現・櫻坂46）のメンバーが出演したサスペンスホラードラマ。謎の洋館に集められた女子高生たちが、椅子に縛り付けられた状態で次々と不可解な出来事に巻き込まれていく姿を描きます。

閉ざされた部屋、逃げ場のない状況、そして仲間の一人ひとりが消えていく恐怖──まさに「密室ホラー」の王道を押さえた展開です。限られた舞台設定だからこそ、緊張感が最後まで持続します。

出演者がアイドルということで話題性もありましたが、内容は意外なほど本格派。セリフや演技を通して次第に人間関係や過去の因縁が浮かび上がり、ミステリー要素も強く盛り込まれています。

スプラッター的なグロさはなく、心理的な不安と閉塞感で魅せるタイプの作品。ライトなホラーが好きな人や、アイドルファン以外にもおすすめできます。

“物語”でじわじわ迫る恐怖を体験する。

幽霊でも怪物でもない──人間の心や社会の闇から生まれる恐怖こそ、ドラマで描かれるホラーの真髄です。

海外の大作から日本の実話系、韓国の社会派ホラーまで、ドラマならではの長い時間をかけて心を侵食していく恐怖を堪能できます。映画とは異なり、物語を積み重ねていくことで恐怖はよりリアルに、そして逃げ場のないものへと変貌します。

もしあなたが「一晩で観終わる映画では物足りない」「もっと深い恐怖を味わいたい」と思うなら、ホラードラマは最適解。怖くて、濃厚で、どこか切ない──そんな25本の恐怖体験を、ぜひあなたの時間に刻み込んでください。